言語療法のリハビリにも使える計算トレーニング教材(1桁の足し算 全14問)です。
本プリントは、1桁の簡単な足し算に取り組むことで、認知機能の活性化を図るトレーニング課題です。
計算能力だけでなく、注意力・集中力・言語理解力など複数の認知要素に働きかけるよう構成されており、高齢者の認知予防・高次脳機能障害のリハビリ・言語療法(ST)支援など幅広い場面でご活用いただけます。
■ プリントの構成と内容
このプリントは、1桁の数字による足し算問題が全14問あります。すべての問題が、以下のようなごく基本的な加算式で構成されており、計算に対する抵抗感が少ない方にも取り組みやすい内容です。
- 2 + 3 =
- 1 + 5 =
- 4 + 2 =
- 6 + 1 =
難易度が極端に高くならないよう配慮されており、「できた」という達成感を感じてもらいやすく、計算に苦手意識のある方にもおすすめです。
■ 活用できるシーンと対象者
このプリントは、以下のような幅広い対象・場面での使用が想定されています。
◎ 高齢者の認知機能トレーニングに
簡単な計算は、脳全体を活性化する汎用的な認知刺激になります。特に足し算は「習慣的に使ってきた記憶」と「今考えて答えを出す処理」の両方を刺激でき、前頭葉・側頭葉・頭頂葉を同時に使う複合的課題として有効です。
◎ 高次脳機能障害・失語症のリハビリに
ST(言語聴覚士)による訓練や、失語症者向けの言語支援課題の一部としても利用可能です。足し算の式を読む・理解する・答えるという一連の作業は、言語理解・語想起・表出にもつながります。
◎ 在宅リハビリ・介護予防にも
家庭での認知症予防や脳トレとしても、短時間で簡単に取り組める構成のため、継続的な活用に向いています。介護者の方やご家族と一緒に「クイズ感覚」で取り組むこともでき、会話のきっかけづくりにもつながります。
■ この課題で得られる効果
本プリントは単なる計算練習ではなく、以下のような多面的な認知トレーニング効果を持っています。
◎ 計算力の維持・回復
基本的な加算の力を養うことで、買い物や金銭管理など、日常生活での数的処理の支援になります。
◎ 注意機能・集中力の促進
式を読み取り、計算し、記入する過程において、持続的注意力や選択的注意を促します。
◎ 言語理解・語想起の刺激
式の読み上げや、口頭での答えのやり取りなどを組み合わせることで、言語処理系の活性化にもつながります。
◎ 作業スピードの強化
繰り返しの取り組みを通して、思考スピードや処理速度の向上を目指すことも可能です。
■ 活用上のポイント・工夫
- 視覚的に見やすいデザインで構成されており、高齢者や視力に不安がある方にも配慮されています。
- 問題数(14問)は疲労を感じにくい適度なボリュームとなっており、集中力が持続しやすい内容です。
- 答え合わせを一緒に行うことで、「ここまではできたね」「すごい!」などの肯定的なフィードバックを与えることができます。これにより、自己効力感やモチベーションの向上が期待されます。
- STやOTが関わる現場では、式を口頭で読み上げてもらう・答えを声に出してもらうなど、音読や発語を促す工夫も効果的です。
■ ご利用にあたって
- 本プリントはPDF形式で無料ダウンロード可能です。印刷してそのまま使用できます。
- 書き込み式で使用するほか、口頭でのやり取りやタブレットでの読み取りにも応用可能です。
- ご利用者の状態に応じて、問題の順番を変える・答えだけでなく式そのものを作ってもらうといった応用課題への発展も可能です。
■ 最後に
「簡単な足し算」というと一見シンプルな課題ですが、計算する・答える・理解する・集中するといった複数の認知機能を自然に働かせることができる、非常に汎用性の高いトレーニング手法です。
リハビリ専門職の方はもちろん、介護者やご家族の方々も、身近な認知刺激の一環としてお気軽に活用できるプリントです。短時間でも毎日続けることで、「できた」「わかった」という前向きな感情が積み重なり、心身の活性化につながります。
今後は、「ひき算編」や「図形を使った計算問題」などの応用版も追加予定です。ぜひ継続的にご活用ください。