2026年(令和8年度)の診療報酬改定に伴い、リハビリテーション実施計画書の運用方法が大きく変更されました。
- 説明主体の拡大
- 患者署名の廃止
- 多職種連携の制度化
といった重要なポイントが示されています。
ここでは、図解スライドをもとに今回の改定内容をわかりやすく解説します。

今回の制度改定では、これまでのリハビリ実施計画書の運用方法が大きく見直されました。
従来は、リハビリテーション実施計画書について・・・・
- 医師による説明
- 患者または家族の署名
という手続きが必要でした。
しかし今回の改定では、「多職種による説明」と「診療録への記録」による確認へと変更されています。
この変更により、医療現場で課題となっていた
- 医師の業務集中
- 署名回収の手間
- 書類管理の煩雑さ
などが軽減されることが期待されています。

今回の制度改定は、主に3つのポイントに整理することができます。
① 説明主体の拡大
リハビリテーション実施計画書の説明は、これまで医師が主体でしたが、改定後は医師の指示を受けた多職種による説明が可能になります。
- 理学療法士(PT)
- 作業療法士(OT)
- 言語聴覚士(ST)
- 看護師
などが、患者への説明を行うことが制度上認められました。
② 患者署名の廃止
これまで必須だった患者または家族の署名は不要となりました。
今後は・・・
- 患者へ説明を行う
- 説明した事実を診療録へ記録する
ことで手続きが完了します。
③ 一部病棟での例外
ただし、すべてのケースで多職種説明が可能になるわけではありません。
回復期リハビリテーション病棟など、一部の病棟では従来通り医師による説明が必要とされています。

リハビリテーション実施計画書は、リハビリ開始後一定期間以内に作成する必要があります。
作成期限は・・・・
- 原則:リハビリ開始後 7日以内
- 遅くとも 14日以内
また、作成した計画書は診療録(カルテ)へ添付することが必要です。この基本的な運用は、今回の改定後も変わりません。

制度改定前後の違いを整理すると、次のようになります。
旧ルール
- 説明者:医師
- 確認方法:患者または家族の署名
この方法では、署名取得のために、家族説明の調整、書類回収、遠方家族への対応など、実務的な負担が生じていました。
新ルール
改定後は・・・
- 説明者:医師または多職種
- 確認方法:診療録への記録 へと変更されています。
これにより、手続きの簡素化と業務効率化が期待されています。

今回の改定では、リハビリテーション医療の実態に合わせて、多職種チームによる説明が制度として認められました。
医師の指示を前提として・・・・
- 看護師
- 理学療法士(PT)
- 作業療法士(OT)
- 言語聴覚士(ST)
などの専門職が、患者へ計画内容を説明することが可能になります。
実際の臨床では、患者に最も長く関わるのはリハビリ専門職であることが多く、今回の改定は現場の実態を制度に反映したものとも言えるでしょう。

今回の改定では、「患者等の署名は不要とする」と明記されています。
これにより、これまで行われていた、紙面での署名確認、署名回収といった手続きが廃止されます。
今後は、患者への説明、説明した内容のカルテ記録を行うことで、制度上の手続きが完了します。

すべての施設で多職種説明が認められるわけではありません。以下の病棟では、引き続き医師による説明が求められます。
- 回復期リハビリテーション病棟
- 特定機能病院のリハビリテーション病棟
これらの病棟では、医師による治療方針決定の役割が重要視されるため、従来の運用が維持されています。
施設の種類によって対応が異なるため、自施設の算定区分を確認することが重要です。

今回の通知では、新しい計画書様式として別紙様式21が示されています。
この様式では・・・・
- 患者・家族の署名欄が廃止
- リハビリ実施計画書と総合実施計画書が統合
といった変更が行われています。
ただし、従来の様式を参考にしたフォーマットも引き続き使用可能とされています。

今回の制度改定によって、医療現場では大きな業務改善が期待されています。
医師の業務負担軽減
リハビリ患者数の多い医療機関では、計画書説明が医師の業務負担となることがありました。
多職種が説明を担当できるようになることで、医師の業務集中が緩和される可能性があります。
事務業務の軽減
署名回収が不要になることで、書類管理、家族対応、署名確認などの事務手続きが簡素化されます。

今回の改定によって、今後は多職種連携、正確な診療録記録、患者とのコミュニケーションがより重要になります。
制度の変更は、単に「署名をもらわなくてよくなった」ということではありません。
むしろ、患者へ適切に説明し、その内容を正確に記録するという、より質の高い情報共有が求められるようになります。
各施設においても、今回の改定を踏まえた
- 院内ルール
- 説明手順
- 記録方法
などの整理が重要になるでしょう。

