【無料ダウンロード】半側空間無視課題プリント|高次脳機能リハビリに使える線分抹消イラスト素材(15本ランダム配置)

 

このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。

 

目次

はじめに|半側空間無視に対するリハビリの重要性

高次脳機能障害の一症状として頻繁に見られる半側空間無視は、脳損傷(特に右半球損傷)により注意が損傷反対側に向かなくなる現象です。この障害は、食事中に皿の片側の食べ物に気づかない、衣服の着脱で片側を着損ねる、歩行時に障害物に衝突するなど、ADL(日常生活動作)のあらゆる場面で重大な支障を引き起こします。

リハビリテーションでは、視覚探索課題や線分抹消課題を通じて、無視側への注意を誘導することが有効とされています。今回紹介するリハハウスの「半側空間無視課題プリント(線分抹消課題・15本版)」は、臨床現場での評価や訓練はもちろん、在宅での自主トレーニングにも適した教材です。

※本プリントは医療行為を目的としたものではありません。使用に際しては、体調や症状に応じて無理のない範囲で行ってください。


内容と目的|15本ランダム配置による線分抹消課題の特徴

このプリントは、ランダムに配置された15本の斜線を1本ずつ抹消する課題であり、一般的な「線分抹消試験」を簡略化した形式となっています。臨床現場での評価から、注意機能のトレーニング教材としても広く利用できます。

本課題の目的は以下の通りです

  • 半側空間無視の改善
    無視側に注意を促し、視覚探索の範囲を拡大する練習になります。
     
  • 視覚的注意力の向上
    ランダム配置によって探索が必要となり、全体を見渡す力を養います。
     
  • 高次脳機能の再構築
    認知機能(注意、探索、遂行機能)を包括的に刺激し、再活性化を促します。
     
  • ADL動作への汎化
    視覚探索力や注意機能が向上すると、食事や整容、移動時の危険回避など、日常生活の安全性や効率が高まります。

15本の設定は、集中力を保ちながら実施できる適度な難易度であり、初期段階や短時間訓練にも向いています。


運動方法と活用方法|課題の実施手順と応用例

◆基本的な実施手順

  1. 課題プリントを準備
    A4用紙に15本の短い斜線がランダムに配置されたプリントを使用します。
     
  2. 課題内容の説明
    「紙面にあるすべての線に、1本ずつ斜め線を重ねて消してください」と指示します。
     
  3. 課題の実施
    利き手でペンを持ち、順に斜線を抹消します。「左もよく見ましょう」などの声かけが有効です。
     
  4. 結果の確認とフィードバック
    抹消漏れの位置や左右差を確認し、無視傾向や探索パターンをフィードバックします。必要に応じて時間も計測し、注意持続力の指標とします。

◆臨床現場での活用例

  • 初期評価に利用:半側空間無視の有無や左右差の程度を簡易的に把握可能。
     
  • 注意訓練の一環として:繰り返し実施することで探索力の定着を促す一環として使用。
     
  • 段階的な負荷設定:本数や配置を変更することで、初級から応用レベルまで調整可能。

◆在宅自主トレーニングへの応用

このプリントは、家族や介護者が印刷して在宅リハビリに活用できます。1日1〜2回の短時間実施を継続することで、注意機能や視覚探索力の維持・改善に役立ちます。タイマーを使った時間記録や、結果の記録を行うことで改善を可視化しやすくなります。


注意点と安全への配慮|実施時のポイント

  • 無視側への誘導
    「紙全体を見てください」と声をかけ、無視側に視線を向けるよう意識づけます。
     
  • 照明・視力補正の確認
    明るい環境で行い、必要に応じて眼鏡を着用し、視認性を確保することが重要です。
     
  • 負荷管理
    過度な集中や疲労を避け、1回5〜10分程度の短時間訓練を推奨。
     
  • 難易度調整
    初期は本数を減らしたり線を太くすることで負荷を下げ、徐々に標準課題に移行します。

まとめ|短時間で効果的に取り組める半側空間無視リハビリ

「線分抹消課題」は、半側空間無視に対して注意力や探索力を改善するための基本的かつ効果的なリハビリ教材です。今回紹介した15本ランダム配置のプリントは、集中力を保ちながら実施できる難易度であり、初期訓練や評価、在宅リハに特に適しています。

リハハウスでは、この課題プリントを無料でダウンロード可能なイラスト素材として提供しており、臨床現場・在宅双方で実践できる内容になっています。半側空間無視への介入や注意機能訓練を効率化する教材として、ぜひご活用ください。


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