【無料ダウンロード】半側空間無視課題プリント|高次脳機能リハビリに活用できる図形探索イラスト素材(28図形ランダム配置)その②

このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。

 

目次

はじめに|半側空間無視に対するリハビリの意義

高次脳機能障害の一症状である半側空間無視は、脳損傷(特に右半球損傷)により注意が損傷反対側に向きにくくなる現象です。この状態では、食事中に皿の片側の食べ物に気づかない、衣服の着脱で片側だけを着損ねる、移動中に障害物に衝突するなど、日常生活動作(ADL)のあらゆる場面に影響を及ぼします。

リハビリテーションでは、視覚探索課題や図形探索課題を通して、無視側への注意を促し、視覚認知や空間認識を改善する訓練が有効です。本記事で紹介するリハハウスの「半側空間無視課題プリント(28図形ランダム配置)」は、臨床現場での評価や訓練はもちろん、在宅での自主トレーニングにも適した教材です。

※本プリントは医療行為を目的としたものではありません。使用に際しては、体調や症状に応じて無理のない範囲で行ってください。


内容と目的|図形探索課題で注意力と認知機能を高める

本プリントは、紙面にランダムに配置された28個の図形の中から「五角形」「黒い台形」「平行四辺形」を探し出し、丸で囲んでチェックする課題です。

  • 指定図形は「五角形(9つ)」「黒い台形(4つ)」「平行四辺形(5つ)」の計18個。
     
  • その他、紛らわしい形状を含む図形が10個配置されており、選択的注意や視覚探索力を鍛える要素が含まれています。

課題を実施する目的は以下の通りです

  • 半側空間無視の改善
    無視側に対して意識的な視覚探索を促すことで、注意の偏りの軽減図る。
     
  • 選択的注意力の強化
    指定された図形を見つけるためには、不要な図形を無視し、必要な情報を見極める力が必要となる。
     
  • 高次脳機能の統合的トレーニング
    視覚探索・図形認識・位置把握・遂行動作を組み合わせることで、注意機能と認知機能を同時に刺激します。
     
  • ADL動作への応用
    注意力や視覚探索力が向上すると、日常生活における物品操作や移動時の安全確認能力も向上しやすくなります。

運動方法と活用方法|課題の実施手順と具体的な活用例

◆基本的な実施手順

  1. プリントを準備
    A4サイズに28個の図形がランダムに配置されたプリントを用意します。
     
  2. 課題の説明
    「紙に描かれた図形の中から、五角形・黒い台形・平行四辺形を探し、丸をつけてください」と指示します。
     
  3. 課題実施
    利き手でペンを持ち、1つずつ図形を探索して丸で囲みます。無視側がある場合は「左(または右)も意識して見ましょう」と声かけを行います。
     
  4. 結果の確認
    指定図形の見落としや探索の左右偏りを確認し、評価や訓練記録に活用します。所要時間を測定することで注意持続力の評価にも応用できます。

◆臨床現場での活用例

  • 評価としての利用
    初回評価や経過観察に使用し、無視側の改善度や注意機能の変化を可視化します。
     
  • 訓練課題としての反復
    定期的に実施し、回数を重ねることで探索範囲を広げる練習になります。
     
  • 他課題との併用
    線分抹消課題や図形模写課題と組み合わせることで、包括的な高次脳機能訓練が可能です。

◆在宅での自主トレーニング

このプリントは在宅訓練にも適しており、家族や介護者が見守りながら実施できます。

  • 1日1回、5〜10分程度の短時間訓練として取り入れることで習慣化しやすいです。
  • 実施時間や見落としの有無を記録することで、改善経過を可視化でき、本人のモチベーション向上にもつながります。

注意点と安全への配慮|訓練を行う際の留意事項

  • 視野全体への意識付け
    実施前に「紙全体を見渡しましょう」と声かけを行い、探索範囲を広げる意識を促します。
     
  • 視覚環境の整備
    明るい場所で行い、必要に応じて眼鏡を使用して視認性を確保します。
     
  • 無理のない頻度で実施
    集中力が切れる前に短時間で区切ることで疲労を防ぎます。
     
  • 難易度調整
    初期は指定図形数を減らし、図形のサイズを大きくするなど、段階的に負荷を調整することが推奨されます。

まとめ|図形探索課題で半側空間無視への包括的なアプローチ

「図形探索課題プリント」は、視覚探索力・選択的注意力・空間認知力を同時に鍛える効果的なリハビリ教材です。五角形・黒い台形・平行四辺形を探し出す過程で、無視側への注意誘導が自然に行われるため、半側空間無視に対する認知リハビリとして有効に機能します。

リハハウスでは、本課題をイラスト入りプリントとして無料ダウンロードできるよう提供しています。臨床現場や在宅での自主トレーニングに取り入れ、半側空間無視への介入や高次脳機能リハビリの質向上にぜひご活用ください。

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