このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
はじめに｜セラピーパテを使用した握力トレーニングを視覚化したプリント
手指の筋活動は、筆記、食事、家事動作など、日常生活の多くの場面で重要な役割を担います。握力はその中でも基礎となる働きであり、物を保持する、持ち替える、押す・引くといった幅広い動作に関係します。
今回リハハウスでは、セラピーパテを円錐状に成形し、手掌で包み込むように握る自主トレーニングをわかりやすく説明するイラストプリントを作成しました。動作のポイントを視覚的に整理することで、対象者が安全に取り組みやすくなるよう設計しています。
セラピーパテは柔らかさの種類を選べるため、負荷を調整しやすく、臨床でも在宅でも扱いやすいツールです。プリントは動作の流れを確認しながら練習したい方、説明資料を必要とする専門職、在宅で習慣化したい方に適した内容になっています。
※本プリントは医療行為を目的としたものではありません。使用に際しては、体調や症状に応じて無理のない範囲で行ってください。
内容と目的｜握力と把持動作の基盤を整えるためのトレーニング
セラピーパテを用いた握り込み練習は、手内筋・前腕の筋活動を穏やかに刺激できる点が特徴です。円錐状に成形して手掌に収めることで、手のひら全体でパテを包み込みやすく、力のかかり方が明確になります。
このトレーニングで意識する主なポイント
- 指と手掌の接触を意識した力の入れ方
- ゆっくり握り込み、ゆっくり戻す動作
- パテの変形量を把握しやすい形状
- 過度な力を使わず動作全体を丁寧に行うこと
握り込む過程で、手掌から指先にかけての力の伝わり方を確認することができ、把持動作の基盤づくりに役立ちます。
運動の目的
握力強化という単一の目的だけでなく、以下のような複数の動作学習要素を含んでいます。
- 把持動作に必要な力の調整
- パテの変形を通したフィードバックの獲得
- 手のひら全体を使った力の方向性の理解
- 動作をゆっくり行う習慣づけ
柔らかい素材を使用することで、対象者が“どの程度の力で握るとどう変形するか”を感覚的に理解しやすくなります。
運動方法と活用方法｜イラストで確認できる具体的な進め方
ここでは、プリントに記載されている動作を文章でも整理し、臨床・在宅で迷わず使えるように構成しています。
運動の基本ステップ
① セラピーパテを円錐状に成形する
形状を統一することで、毎回同じ条件でトレーニングが行えます。
② パテを手掌に置き、指全体を添える
手のひらの中心に置き、指が自然に沿う位置にセットします。
③ ゆっくりと握り込む
反動を使わず、少しずつ指が屈曲していくのを確認しながら握っていきます。
④ 握りきったところで一度静止する
約1〜2秒の短い静止で十分です。力の入り具合を確認する時間として活用します。
⑤ ゆっくり元に戻す
戻すときも丁寧に行い、パテの形状の変化を視覚的に確認します。
臨床での活用方法
セラピーパテは抵抗特性が扱いやすく、説明資料として本プリントを使用すると動作の誤解が少なくなります。
- 握力練習の導入
- 把持動作の理解を深める補助資料
- 試行回数を調整しながら段階づけが可能
動作のテンポや力の方向性を確認する場面でも役立ち、対象者がどの程度力を入れているかを把握しやすくなります。
在宅での活用方法
家庭でトレーニングを続ける際は、パテの硬さや回数を調整しながら、少しずつ習慣化できるように工夫することが大切です。
- 1回あたり10回程度を目安にする
- 柔らかめのパテから開始する
- 時間帯を決めて実施することで継続しやすい
- パテが手に付きにくい温度で行う（高温環境は避ける）
握り込み動作は負担が少なく、短時間でも取り組みやすいため、在宅トレーニングに向いています。
注意点と安全への配慮｜負荷の調整と環境づくりが重要
握力トレーニングは、力を入れすぎると手指や前腕に負担がかかる場合があります。安全に取り組むため、以下の点に配慮しながら行うことが重要です。
- 痛みや張りを感じた場合は中止する
- パテの硬さは無理のないものを選ぶ
- 長時間続けず、適度に休憩を挟む
- 手掌にパテが密着しすぎないよう、軽く手を湿らせる程度に調整する
- 机の上で落ち着いた姿勢で行う
また、環境面の影響にも注意が必要です。特にパテは温度変化で硬さが変わるため、室内の温度が極端に高い・低い場合は調整を行ってからトレーニングすることが理想です。
まとめ｜負担を調整しながら取り組める握力トレーニング素材
今回紹介した 【無料ダウンロード】セラピーパテ握り込みトレーニングプリント は、手掌と指全体を使った握力向上に取り組むための、シンプルで使いやすい素材です。
- パテの硬さによって負荷の調整が可能
- 動作をイラストで確認できるため説明の補助に最適
- 臨床でも在宅でも扱いやすい
- 握る・戻すという基本動作を丁寧に習慣化できる
反復練習を通して、力の入れ方や手掌の使い方を理解しやすくなる構成になっています。トレーニングを実施する際は、無理のない範囲で徐々に取り組むことが大切です。ぜひ、臨床現場での指導や自主トレの補助教材としてご活用ください。
