【無料ダウンロード】高次脳機能障害・注意障害に使えるTMTプリント(①~⑮ 大きさ違い)その④

このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。

 

目次

はじめに|数字の大きさを活用して注意機能を刺激するリハビリプリント

高次脳機能障害に伴う注意障害は、日常生活動作(ADL)や社会生活への適応に大きな影響を与える代表的な認知障害の一つです。特に「視覚的注意の低下」や「選択的注意の困難」は、周囲の情報を正しく認識し、必要な情報だけを素早く処理する力を妨げます。

今回ご紹介する【無料ダウンロード】TMTプリント(①~⑮ 大きさ違い)その④は、Trail Making Test(TMT)の形式を応用した課題です。数字を順番に一筆書きで結ぶというシンプルなルールに加え、数字の大きさが異なるという要素を加えることで、単なる視覚的探索だけでなく、選択的注意・注意分配機能・作業記憶を同時に鍛えることができます。

このプリントは、病院や施設のリハビリだけでなく、訪問リハや在宅での自主トレーニングにも活用可能で、A4サイズで印刷すればすぐに使える利便性の高さも特徴です。

※本プリントは医療行為を目的としたものではありません。使用に際しては、体調や症状に応じて無理のない範囲で行ってください。


内容と目的|「大きさ違い」形式で多面的な注意機能にアプローチ

プリントの構成

  • 数字範囲:①~⑮
  • 課題形式:数字を順番に一筆書きで結ぶ
  • 特徴:大小異なるフォントサイズの数字がランダムに配置されている

難易度と刺激要素

  • 数字サイズをランダムに設定し、選択的注意視覚的探索力を同時に求める構造
  • 「順番通りに結ぶ」という基本ルールに加え、数字サイズの違いを認識しながら探索する追加負荷
  • 数字間隔や配置に工夫を加え、視野全体を使った探索が必要になる設計

主な対象者

  • 高次脳機能障害に伴う注意障害や遂行機能障害のある方
  • 軽度認知障害(MCI)や視空間認知の低下が見られる方
  • TMT課題に慣れており、さらに難易度の高い課題に挑戦したい方

主な目的

  1. 視覚的注意の向上
    大小異なる数字を探索する過程で、広い視野を意識して探索する力を鍛えます。
      
  2. 選択的注意の強化
    紛らわしい視覚情報の中から、正しい順序の数字を素早く見つけ出す練習になります。
      
  3. 作業記憶と遂行力の活性化
    現在の番号を記憶しつつ、次の番号を探すことで前頭葉機能を刺激します。
     
  4. 自己効力感の向上
    課題をやり遂げることで達成感を得られ、意欲や自信の回復につながります。

運動方法と活用方法|臨床から在宅まで幅広く対応

基本的な実施手順

  1. 印刷準備
    A4サイズでモノクロまたはカラー印刷を行います。
     
  2. 課題説明
    「①から⑮までを順番に、一筆書きでつなぎましょう。数字の大きさは気にせず、順番を守ってください」と説明します。
     
  3. 実施
    ペンを紙から離さず、一筆で全ての数字をつなぎます。
     
  4. 振り返り
    実施後、線の軌跡を確認し、迷った場所や視線の動きをフィードバックします。

活用できる場面

  • 病院・リハビリ室:集中力や注意分配のトレーニングとして
  • 訪問リハビリ:限られたスペースでも実施可能
  • デイケア・通所リハ:レクリエーション要素を含めて楽しく取り組める
  • 在宅トレーニング:家族のサポートのもと短時間で実施可能

応用例

  • 制限時間を設けて処理速度や集中力を高める練習
  • 半側空間無視の訓練として、数字配置を工夫し弱い側への探索を促す
  • 難易度を上げるため、数字数を増やしたバージョンへのステップアップ

注意点と安全への配慮|過負荷を避けるためのポイント

実施時の注意事項

  • 実施時間は10分程度を目安に
     
  • 集中力低下や疲労が見られたら即中止
     
  • 姿勢や視線の偏りを観察し、必要に応じて修正
     
  • 間違いを責めず、達成できた部分を積極的に評価

安全面での工夫

  • ペン操作で痛みや疲労がある場合は、指なぞりで代用
  • 視力や眼鏡使用の有無を確認し、印刷倍率や文字サイズを調整
  • 課題後には休息時間を取り、認知疲労を予防

まとめ|数字の大きさの違いを活かした実践的注意トレーニング

【無料ダウンロード】TMTプリント(①~⑮ 大きさ違い)その④は、数字サイズの差による視覚的刺激を利用し、視覚的注意・選択的注意・作業記憶を総合的に鍛えることができる実践的なリハビリ教材です。

  • 臨床から在宅まで幅広く利用可能
  • 対象者のレベルに合わせた段階的な難易度調整が可能
  • 短時間で集中力を引き出し、生活動作への汎化も期待できる

特に、TMT課題に慣れてきた方や、数字探索の精度をさらに高めたい方、短時間で集中力向上を狙う方におすすめです。シリーズとして「その①」「その②」「その③」から順に取り組むことで、過負荷を避けながら着実なスキルアップが可能です。ぜひ臨床現場や自主トレ指導にお役立てください。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次