このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
はじめに|遂行機能トレーニングの解答ページ
本ページでは、リハハウスが提供する【無料DL】遂行機能トレーニング課題プリント(その②)の解答例と解説を掲載しています。
この課題は、〇 → △ → □ → × → 平行四辺形の順に図形を線で結び、ゴールまで進めるという内容で、遂行機能の改善を目的とした高次脳機能リハビリに適したプリントです。
本記事では、解答だけでなく、課題の臨床的意義や指導時のポイントも併せて紹介します。現場でのフィードバックや在宅での自主トレーニングにおける指導資料としても活用いただけます。
※本プリントは医療行為を目的としたものではありません。使用に際しては、体調や症状に応じて無理のない範囲で行ってください。
内容と目的|遂行機能・注意力・計画性を同時に刺激
■ 課題の内容
この課題は、ランダムに配置された図形を指定された順序に従って線で結ぶことで、遂行機能や注意力を訓練します。
- 指定順序:〇 → △ → □ → × → 平行四辺形
- ランダム配置により視覚探索力も求められる
- 最終的にゴールまで線を引き、一筆書きでつなぐ
■ トレーニング目的
- 遂行機能の強化
課題のルールを保持し、計画性をもって遂行する力を養う
- 視覚探索・注意力の向上
図形を探し出し順番通りになぞる過程で注意の持続と選択的注意を刺激
- ワーキングメモリの訓練
順序を記憶しつつ動作を進めることで短期記憶の活用を促進
- エラー検出力の改善
順序違反や飛ばしを自己修正する過程でエラー認識の力を鍛える
このように、一見単純な課題でありながら、複数の高次認知機能を複合的に訓練できる構成になっています。
解答と解説|正しい順序と臨床的指導ポイント
■ 正しい解答順序
この課題の正解ルートは以下の通りです。
〇 → ② △ → ③ □ → ④ × → ⑤ 平行四辺形 → ∞ → ゴール
この順序に従って一筆書きで線を結ぶと、ゴールに到達します。
■ よくある間違いと原因
- 順序の飛ばし
注意障害のある方では、図形を見落として飛ばしてしまう傾向が見られます。
- 逆戻りエラー
一度進んだ図形を再び指してしまうケース。遂行機能の低下や注意の切り替え不良が影響します。
- 視覚探索の偏り
左または右の図形に注意が偏り、反対側を見落とす例(半側空間無視との鑑別が必要)。
これらのエラーを観察することで、患者の注意配分や遂行機能の特徴を把握する評価的要素も含まれます。
運動方法と活用方法|臨床・在宅での実践例
■ 臨床での指導方法
- 課題前:順序を声に出して確認(「〇、△、□、×、平行四辺形」)
- 課題中:視覚探索が偏る場合は軽く声かけで誘導
- 課題後:エラー有無や所要時間をフィードバック
■ 在宅での自主トレーニング
- プリントを印刷し、家族が順序確認を補助
- タイマーを用いた時間計測でモチベーション維持
- 図形配置を変えたバリエーション課題を複数回行い、汎化を図る
注意点と安全への配慮|認知疲労と負荷調整
■ 実施時の留意点
- 1回あたり5〜10分を目安とし、疲労を避ける
- 集中力低下が見られる場合は課題数を減らして実施
- 難易度は「図形数」「配置」「順序の複雑化」で段階的に調整可能
■ ご家族・介助者へのアドバイス
- 成功体験を積むことが重要。課題後に達成を褒める声かけを行う
- 注意が逸れやすい方には、短時間・小課題での反復が有効
- 課題実施時には静かな環境を確保し、外的刺激を減らす
まとめ|遂行機能改善と評価を兼ねた実践的教材
この【無料DL】遂行機能トレーニングプリント(その②)は、遂行機能・注意力・計画性の強化に特化した実践的な課題です。
- 図形の順序追従による計画性と注意力の強化
- 臨床現場から在宅自主トレまで幅広く活用可能
- 解答・解説を用いたフィードバックで学習効果を高める
認知リハビリの現場や在宅トレーニングにおいて、患者の遂行機能訓練と評価を兼ねた教材として、ぜひご活用ください。