このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
はじめに|手指MP関節への他動的アプローチの重要性
リハビリテーションの現場において、手指の機能維持や改善は、日常生活動作(ADL)の自立度に直結する重要な要素です。特に、MP関節の柔軟性や可動域(Range of Motion:ROM)を維持・拡大することは、つまむ・握る・支えるといった基本的な手の動きに欠かせません。
本ページでは、手指MP関節の他動屈曲ストレッチをテーマに、医療・リハビリ専門職の皆さまが現場で活用できる無料のイラスト素材をご提供します。対象者への指導や記録、家庭内での自主トレーニング補助にも活用できる内容です。
※本プリントは医療行為を目的としたものではありません。使用に際しては、体調や症状に応じて無理のない範囲で行ってください
内容と目的|関節可動域の維持と指伸筋のストレッチを中心に
この素材におけるストレッチは、MP関節を他動的に屈曲させることで、関節の拘縮予防や柔軟性の保持を目的としています。あわせて、指伸筋(特に総指伸筋)に対するストレッチ効果も期待され、関節運動時の滑らかさの維持に貢献します。
▼ 本素材で行う運動内容
- 手指MP関節の他動的な屈曲ストレッチ
- 対象者の手指を保持し、中間位から屈曲位までゆっくりと可動
- 屈曲位と中間位を往復するようなストレッチ運動
▼ 主な目的
- 手指MP関節の関節可動域の維持および拡大
- 指伸筋(総指伸筋など)のストレッチ
- 関節の柔軟性向上によりADLや作業療法活動への好影響が期待される
※治療効果を保証するものではなく、あくまで機能維持・日常生活支援の一環として活用されることを想定しています。
運動方法と活用方法|誰でも実践しやすい具体的な流れ
1. 姿勢の準備
対象者は安定した姿勢で座位または仰臥位となります。手は机上または膝上など、しっかり支えられる場所で行ってください。
2. 手指の保持
片手(介助者または自身の反対側の手)で、対象となる手指のMP関節部をしっかりと把持します。この際、DIP関節やPIP関節に力が入らないよう意識してください。
3. 他動運動の実施
MP関節を中間位から屈曲方向へゆっくりと他動的に動かします。その後、元の中間位まで戻し、数回繰り返します。
4. 呼吸と速度
動作はゆっくりと行い、対象者の呼吸を妨げないよう自然なテンポを心がけましょう。
活用場面の例
- 外来リハビリでの補助運動として
- 自宅での自主トレーニング用プリントとして
- 訪問リハやデイサービス等での個別対応支援に
注意点と安全への配慮
安全に活用するためには、以下の点に十分ご注意ください。
- 他動運動は無理な角度・強さを避け、疼痛が出ない範囲で行ってください。
- 動作中は呼吸を止めず、自然なリズムで行うことを促しましょう。
- 関節や筋に炎症・腫脹がある場合は、無理なストレッチを避け、事前に医療専門職の確認を受けてください。
- 誤って他の指や関節に過度なストレスがかからないよう、運動の対象部位を意識して保持します。
このような注意を守ることで、対象者の負担を軽減しながら効果的にストレッチを継続することが可能となります。
まとめ|現場で活かせる実用的な無料リソース
手指MP関節の他動屈曲ストレッチは、拘縮予防や柔軟性維持に効果的なアプローチのひとつです。
本素材は、視覚的に分かりやすく、指導・学習ツールとしても活用しやすい形式となっています。
イラスト付きのプリントは、対象者への説明補助や自主トレーニングの支援にも最適です。ぜひ現場のニーズに合わせてご活用ください。
リハビリテーションの質を高める第一歩として、手軽に導入できる素材をご提供することが「リハハウス」の目指す支援です。
今後も各関節や筋群へのアプローチ素材を順次追加してまいりますので、ぜひブックマークしてご活用ください。