【無料ダウンロード】高次脳機能障害・注意障害に使えるTMTプリント(①~⑳)その⑤

このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。

 

目次

はじめに|シリーズ第5弾!より高度な注意トレーニングへの挑戦

高次脳機能障害のリハビリテーションにおいて、注意障害遂行機能障害への適切な介入は、日常生活動作の自立や社会復帰の可否を大きく左右します。

注意の持続が困難、視野の一部を見落とす、物事の順序を誤る――これらは患者本人にとっても、支援する家族や医療者にとっても大きな課題です。

今回ご紹介する【無料ダウンロード】TMTプリント(①~⑳)その⑤は、Trail Making Test(TMT)の形式を応用したオリジナル課題です。

これまでの「その①」~「その④」よりもさらに複雑な数字配置と探索範囲を採用し、視覚的注意・作業記憶・順序処理能力・自己修正力といった複数の高次脳機能を同時に鍛えることを目的としています。

この課題は臨床現場だけでなく、在宅での自主トレ家族支援にも活用可能な汎用性の高いリハビリ素材です。

※本プリントは医療行為を目的としたものではありません。使用に際しては、体調や症状に応じて無理のない範囲で行ってください。


内容と目的|TMTプリント「その⑤」で狙う認知機能強化

1. 課題形式

  • ①~⑳までの数字を順番に、一筆書きで結ぶ形式
  • ペンを紙から離さず、連続して線を引くことがルール

2. 難易度の特徴

  • 探索範囲をさらに広げ、視線移動量を増加
  • 数字間の距離や配置を工夫し、注意維持と視覚的探索力の強化を狙う
  • 複雑な動線により、作業記憶と遂行機能への負荷を高める

3. 対象者

  • 注意障害、遂行機能障害、視空間認知の低下がみられる方
  • 高次脳機能障害の中級~上級課題としてステップアップを希望する方

4. 期待できる効果

  • 持続的注意力の向上
    最後の番号まで集中を切らさず取り組む訓練
     
  • 視覚的探索・分配注意の強化
    広範囲を見渡し、目的の数字を効率的に見つける練習
     
  • 作業記憶と順序性の活性化
    直前の番号を記憶しつつ、次の番号を探す動作で前頭葉機能を刺激
     
  • 自己修正能力の促進
    誤りに気づき、自ら修正する遂行機能の改善

運動方法と活用方法|臨床・在宅での実践例

基本的な実施方法

  1. A4サイズでプリントを印刷(モノクロ・カラーどちらでも可)
     
  2. 対象者の正面に配置し、課題ルールを明確に説明
     
  3. 書字が困難な場合は、指なぞりや拡大印刷で対応
     
  4. 実施後に感想や困難点を共有し、次回の課題選択に活かす

活用できる場面

  • 急性期~回復期病棟:注意・遂行機能の評価・導入訓練として
  • 通所・訪問リハ:在宅でも継続できる自主トレ教材として
  • 家族支援:家庭での日課として、認知刺激や生活リズムの維持に活用

応用方法

  • タイム計測を併用し、処理速度や集中力維持時間を評価
  • 定期的な反復で進捗を記録し、モチベーション向上
  • 記録用シートと組み合わせ、指導者・家族と共有してリハビリの可視化を促進

注意点と安全への配慮|継続できるトレーニング環境の整え方

実施時の配慮

  • 疲労や集中力低下が見られた場合は中止
     
  • 10〜15分程度を目安に実施時間を設定
     
  • 成功体験を重視し、達成できた部分に焦点を当てた声かけを行う
     
  • 「その①」や「その②」から段階的に難易度を上げていくことが望ましい

観察ポイント

  • 視線の動き(全体をまんべんなく探索できているか)
  • 書字の軌道(スムーズさや一筆動作の安定性)
  • 誤りの自覚と修正行動の有無
  • 作業ペース(速すぎないか、集中が持続しているか)

これらの観察結果は、日常生活動作の質や認知機能評価の参考にもなります。


まとめ|TMTプリント「その⑤」で高次脳機能訓練のステップアップを

【無料ダウンロード】TMTプリント(①~⑳)その⑤は、シリーズの中でも最も認知負荷が高い構成となっており、注意力・視覚的探索力・作業記憶・遂行機能の総合的な向上を目指せる教材です。

  • A4サイズで即印刷・即使用が可能
  • 臨床・在宅・介護現場など幅広く対応
  • シリーズを通して段階的に訓練できる設計

シリーズの進行に合わせて活用すれば、評価と訓練の一貫性を保ちながら、対象者の機能回復を長期的に支援できます。ぜひ日々のリハビリプログラムに取り入れ、注意障害や遂行機能障害の改善にご活用ください。


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