【無料ダウンロード】高次脳機能障害・注意障害に使えるTMTプリント(①~⑳)その②

このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。

 

目次

はじめに|TMTプリントとは?注意障害の訓練に最適な定番課題

高次脳機能障害のリハビリにおいて、注意障害や遂行機能障害は日常生活に直結する重要なリハビリ対象です。たとえば、集中力が続かない、注意の切り替えが遅い、複数の作業を同時にこなせないなど、行動の柔軟性や安定性に支障をきたす場面は臨床現場でも頻繁に見受けられます。

このような症状に対する介入として、視覚的注意・順序性・作業記憶など、複数の認知機能を統合的に刺激できる「TMT(Trail Making Test)」形式のプリント課題は非常に有効です。

今回ご紹介する【無料ダウンロード】高次脳機能障害・注意障害に使えるTMTプリント(①~⑳)その②は、番号を順に一筆書きで結んでいく形式の課題で、前頭葉の活性化や集中力の向上を目的としています。PT・OT・STなどの専門職はもちろん、在宅での自主トレーニングにも活用できる汎用性の高い教材です。

※本プリントは医療行為を目的としたものではありません。使用に際しては、体調や症状に応じて無理のない範囲で行ってください。


内容と目的|TMT形式で注意力・順序性・遂行力を同時に強化

プリントの構成と特徴

本プリントは、「①」から「⑳」までの数字を一筆書きでつなげていくという、視覚的・運動的・認知的な負荷が組み込まれた課題です。構成は以下の通りです。

  • 形式:番号(①~⑳)を順番に一筆でつなぐ
  • 制約条件:ペンを紙から離さない
  • 対象者:注意障害・遂行機能障害・高次脳機能障害を有する方
  • 配布形式:A4モノクロPDFで無料提供。印刷してすぐ使える視認性に配慮したデザイン

期待できる訓練効果

この課題は一見シンプルに見えますが、認知機能の多層的な刺激を可能とする奥の深い課題です。

  • 持続的注意の訓練
    最後まで番号を探し続ける集中力を養成
     
  • 視覚的探索と注意の分配
    広範囲な視線移動を必要とし、視野全体への注意配分を促進
     
  • ワーキングメモリの強化
    次に探す番号を保持しながら行動することで、作業記憶を活性化
     
  • 自己モニタリング能力の促進
    ミスに気づき、修正を試みるプロセスを通じて遂行力を刺激

このように、単なる「数字をつなぐ」作業に見えて、実際は前頭葉を中心としたさまざまな脳領域を刺激する訓練素材として活用できます。


運動方法と活用方法|現場でも家庭でもすぐに使える実践的TMTプリント

実施の基本手順

  1. プリントをA4サイズで印刷(白黒印刷でOK、カラーも可)
     
  2. 対象者の正面に配置し、課題の目的を説明
     
  3. 「①から⑳まで、順番にペンで線を引いてください。紙からペンを離さずに書きましょう」と伝える
     
  4. 難しい場合は指でなぞる方法も推奨
     
  5. 終了後は、「難しかった番号」「うまくできた点」などを共有し、本人の気づきにつなげる

活用できる場面と対象者

  • 急性期・回復期リハビリ病棟
    注意機能や認知機能の初期評価、導入課題として
     
  • 通所・訪問リハビリ
    反復実施が容易で、家庭でも継続しやすい
     
  • 在宅支援・家族介護者向け
    自主トレ用のシンプルなツールとして親和性が高い

応用的な活用法

  • タイムトライアル形式で集中力や処理速度の測定に応用
  • 拡大版を用意して視覚障害や高齢者にも対応
  • 課題後に振り返りシートを使って、気づきや目標を記録し、継続のモチベーションに

注意点と安全への配慮|過負荷を避けて継続的なリハビリ効果を得るために

実施時の注意点

  • 1回10〜15分以内を目安にし、集中力の低下や疲労に注意
  • 反復頻度は、週数回〜毎日など対象者の状態に応じて調整
  • 失敗を責めず、成功体験を重視するフィードバックを心がける

指導者・家族へのアドバイス

  • 「結果」よりも「プロセス」に注目(例:目の動き、ペンの軌道、集中の維持など)
  • 記録を残すことで変化の可視化が可能(例:何分でできたか、気づきの内容など)
  • 小さな成功を積み重ねることで、継続意欲と自信につなげていくことが大切

まとめ|TMTプリントその②で高次脳機能リハビリの可能性を広げよう

TMT形式のプリントは、視覚的注意・持続的注意・遂行機能を効果的に刺激できる定番教材です。今回の「その②」は、「その①」よりも視線移動や探索範囲にバリエーションを加え、より実践的なトレーニング要素を盛り込んでいます。

  • 無料ダウンロードですぐに使用可能
  • 印刷して配るだけで簡単に訓練が開始できる
  • 多職種連携や家族支援にも応用しやすい
  • 段階的に進めるシリーズ構成で継続的な取り組みを支援

今後もTMTシリーズとして「その③」「その④」…と、難易度・構造・目的に応じた素材を順次公開予定です。臨床現場はもちろん、在宅支援でも役立つリハ素材として、ぜひTMTプリントをご活用ください。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次