このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
はじめに
複数の物を見比べるときには、形や色だけではなく、それぞれがどの位置にあるかを確認することが大切です。
今回リハハウスでは、マス目の中に配置された4種類の図形を見ながら、見本とまったく同じ配置になっている図を4つの候補から探す空間認知課題を作成しました。
使用されている図形は、
- 赤い丸
- 青い三角
- 緑の星
- 黄色い四角
の4種類です。
候補にも同じ種類の図形が使われていますが、位置が少しずつ異なります。
そのため、単純に「同じ図形があるか」を探すのではなく、
「青い三角はどのマスにあるか」
「赤い丸は見本と同じ位置か」
「星と四角の位置関係は一致しているか」
と、一つずつ確認しながら答えることがポイントです。
※本プリントは空間認知機能や高次脳機能を診断するための正式な検査ではありません。
この課題のやり方
プリントには4つの問題があります。
それぞれ左側に「見本」があり、その右側に4つの候補が並んでいます。
まず見本の図形配置を確認し、その後候補を順番に見比べて、4種類の図形すべてが見本と同じマスにあるものを1つ選びます。
基本的な進め方は、
- 見本全体を見る
- 赤い丸の位置を確認する
- 青い三角の位置を確認する
- 緑の星・黄色い四角も確認する
- 4つすべて一致する候補を選ぶ
という流れです。
一部の図形だけが一致している候補もあるため、1つ合っているだけで判断せず、最後まで確認することが大切です。
今回の空間認知課題の特徴
1.「何があるか」ではなく「どこにあるか」を見る
今回の問題では、候補にも同じ4種類の図形が使われています。
違うのは配置されている場所です。
そのため、
「星があるから同じ」
「丸の位置が合っているから正解」
とは限りません。
4つすべてについて、見本と同じ位置にあるかを確認します。
2.マス目を使って位置を整理できる
図形は規則的なマス目の中に配置されています。
位置が分かりにくい場合には、
- 上から何段目か
- 左から何列目か
- 左上・右下のどちらにあるか
など、マス目を基準にして確認できます。
視覚的な印象だけでなく、位置を一つずつ整理して比較できる構成です。
3.似た候補の違いを見つける
選択肢には、見本と非常によく似た配置もあります。
たとえば、
- 3つは同じ位置だが1つだけ違う
- 2つの図形の位置が入れ替わっている
- 全体的には似ているが1マスずれている
といった候補があります。
そのため、細かな位置の違いを見比べることが重要になります。
見つけやすくするコツ
一度に4つの図形をすべて確認すると、迷いやすい場合があります。
その場合は、見る順番を決めておくと取り組みやすくなります。
たとえば、
赤い丸 → 青い三角 → 緑の星 → 黄色い四角
の順番で、すべての候補を確認します。
また、
「三角は一番上」
「星は左下」
「四角は右側」
など、位置を言葉にしながら確認する方法もあります。
どの位置にあるかを言語化することで、候補との違いを整理しやすくなります。
リハビリで活用するときのポイント
作業療法などの机上課題として活用する場合は、正解数だけではなく、どのような見方をしているかにも注目できます。
たとえば、
- 見本を十分に確認しているか
- 候補を順番に見比べているか
- 特定の図形だけで判断していないか
- 見本と候補を行き来しながら確認しているか
- 上下左右の位置を取り違えていないか
- 4つすべてを確認してから回答しているか
などです。
間違えた場合には、
「まず赤い丸の位置だけ確認しましょう」
「次に三角は見本と同じですか?」
というように、情報を一つずつ分けて確認する方法があります。
難易度をやさしくする方法
難しい場合には、次のような調整ができます。
- 候補を4つから2つに減らす
- 図形を4種類から2種類に減らす
- 比較する図形を指さして示す
- マス目を一緒に数える
- 上下左右を言葉で確認する
また、「違うものを消していく」という消去法で進めるのも有効です。
難易度を上げる方法
慣れてきた場合には、
- 図形の数を増やす
- マス目を増やす
- 候補数を増やす
- 色や形が似た図形を追加する
- 回答までの時間を設定する
- 見本を一定時間だけ見せてから隠す
などの方法があります。
見本を隠してから回答する方法では、配置を比較するだけではなく、見た位置情報を一定時間保持する要素も加わります。
「位置」だけでなく「位置関係」も手掛かりになる
今回の課題では、個々の図形のマスだけでなく、図形同士の位置関係も手掛かりになります。
たとえば、
- 丸より三角は上にある
- 星は四角より左にある
- 丸と四角は離れている
- 三角と星は縦方向に並んでいる
といった関係です。
一つひとつのマスを数える方法と、図形同士の関係を見る方法を組み合わせることで、より整理して取り組めます。
使用するときの注意点
今回のように複数の図形と候補を同時に見る課題では、視覚的な情報量が多く感じられる場合があります。
難しい場合には、
- 1問ずつ提示する
- 候補を減らす
- 一つの図形だけに注目する
など、情報量を調整してください。
また、視力や視野の状態によってマス目や図形が見えにくい場合には、プリントを拡大するなど見やすい環境を整えることも大切です。
疲労や集中力の低下がみられた場合には、無理に継続せず適宜休憩してください。
本プリントは高次脳機能障害や空間認知障害の診断を目的としたものではありません。本課題の結果のみで医学的な判断を行わないようにしてください。
まとめ|見本と同じ図形の配置を探してみよう
今回紹介したプリントは、4種類の図形が置かれている位置を見比べ、見本とまったく同じ配置を探す高次脳機能の空間認知課題です。
課題では、
- 図形の種類を見る
- 一つひとつの位置を確認する
- 上下左右を確認する
- 図形同士の位置関係を見る
- 見本と候補を照合する
という流れで取り組みます。
「回転した同じ形を探す」課題とは異なり、今回の**「同じ配置を探そう」シリーズは、複数の図形が置かれている位置や配置を正確に見比べるタイプの空間認知課題**です。
リハハウスでは、このほかにも空間認知・記憶・注意・遂行機能・半側空間無視・言語などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の状態や理解度に合わせながら、日々のリハビリテーションにご活用ください。

