このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
はじめに
買い物をするときには、「何を買うか」だけでなく、「牛乳は何本必要か」「ティッシュは何箱買うか」など、品物と数量を合わせて覚えておく場面があります。
今回リハハウスでは、買い物メモの内容を60秒間覚え、その後に記憶した情報について答える高次脳機能の記憶課題プリントを作成しました。
左側の買い物メモには、
- 食パン
- 牛乳
- りんご
- たまご
- ティッシュ
- 歯みがき粉
といった身近な商品が並び、それぞれに「1袋」「2本」「3個」「2箱」などの数量が表示されています。
60秒間メモを確認したあと、中央でプリントを折るなどして左側を隠し、右側の質問へ答えます。
今回のポイントは、品物の名前だけではなく、数量やカテゴリーも一緒に覚えることです。
※本プリントのみで記憶障害や高次脳機能障害を評価・診断することはできません。
この記憶課題の内容
買い物メモを60秒間覚えたあと、記憶した内容について複数の問題に取り組みます。
問題には、
- 買う物をできるだけ思い出して書く
- 牛乳が何本だったか答える
- 果物が何だったか答える
- 2箱買う物を思い出す
- 最も大きな数字がついていた物を答える
といった内容が含まれています。
単に商品名を覚えるだけではなく、名称・数量・種類を関連付けながら記憶する構成になっています。
今回のプリントの特徴
1.買い物という日常的な場面を使っている
今回の課題は、「買い物メモ」という生活の中でイメージしやすい場面をテーマにしています。
食パン・牛乳・りんご・たまごなど、日常的に目にする物が中心なので、単独のイラストを覚える課題とは異なり、一つの買い物場面として情報を整理しながら取り組むことができます。
2.品物と数量をセットで覚える
「牛乳があった」と覚えるだけでなく、
「牛乳は2本だった」
というように、品物と数量をセットで確認します。
どの数字がどの商品についていたかを意識して見ることがポイントです。
3.カテゴリーから思い出す問題がある
「果物は何でしたか?」という問題では、「りんご」という名前を直接提示せず、種類を手掛かりに記憶をたどります。
また、「2箱だった物」「数字が最も大きかった物」など、異なる情報を手掛かりに答える問題が含まれています。
リハビリで活用するときのポイント
作業療法などの認知課題として使用する場合は、正解数だけではなく、どのように情報を覚えようとしているかにも注目できます。
たとえば、
- 商品を順番に確認しているか
- 「牛乳2本」のように名前と数量を声に出しているか
- 食品・日用品などに分けて覚えているか
- 数字にも注意を向けているか
- ヒントがあると思い出しやすくなるか
などです。
思い出しにくい場合には、
「食べ物は何がありましたか?」
「数字が2だった物はありましたか?」
など、答えを直接伝えるのではなく、記憶をたどるための手掛かりを提示する方法があります。
難易度を調整する方法
やさしくする場合
- 60秒より長く買い物メモを見る
- 商品名を一緒に読み上げる
- 最初は数量を覚えず、商品だけを覚える
- 書字ではなく口頭で回答する
- 食品・日用品などカテゴリーのヒントを出す
難しくする場合
- 覚える時間を短くする
- 商品名と数量をすべてセットで答えてもらう
- 回答まで少し時間を空ける
- ヒントなしで取り組む
対象者の状態や理解度に合わせて調整してください。
使用するときの注意点
今回のプリントでは、商品名だけでなく数量も覚える必要があります。
数字まで覚えることが負担になる場合には、最初は商品だけを覚え、慣れてから数量を加える方法もあります。
疲労や集中力の低下がみられた場合には無理に続けず、休憩を入れる、質問数を調整するなどしてください。
また、本プリントは記憶障害や高次脳機能障害を診断するための正式な検査ではありません。
本課題の結果だけで医学的な判断を行わず、リハビリテーションで活用する補助教材としてご使用ください。
まとめ
今回紹介したプリントは、買い物メモに書かれた品物と数量を60秒間覚え、その後に複数の質問へ答える高次脳機能の記憶課題です。
課題では、
- 買う物を思い出す
- 商品と数量をセットで覚える
- カテゴリーから商品を思い出す
- 数字から商品を思い出す
- 複数の情報を整理して答える
といった方法で取り組めます。
買い物という身近な場面をテーマにしているため、これまでの単純なイラスト記憶課題とは少し違った形で活用できます。
リハハウスでは、このほかにも記憶・注意・遂行機能・空間認知・半側空間無視・言語などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の状態や理解度に合わせながら、日々のリハビリテーションにご活用ください。

