このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
はじめに
外出するときには、財布や鍵、飲み物など、必要な持ち物を確認して準備する場面があります。
今回リハハウスでは、おでかけの持ち物を30秒間見て覚え、その後に記憶した内容について答える高次脳機能の記憶課題プリントを作成しました。
左側にはバッグとともに、
- 水筒
- 帽子
- タオル
- 本
- みかん
- 鍵
といった6つの持ち物が描かれています。
まず30秒間、左側のイラストを見て内容を覚えます。その後、中央部分を隠し、右側の問題へ進みます。
今回の特徴は、「何があったか」だけでなく、「何色だったか」まで思い出す必要があることです。
※本プリントのみで記憶障害や高次脳機能障害を評価・診断することはできません。
この記憶課題の内容
左側のイラストを30秒間確認したあと、絵を隠して問題に答えます。
最初の問題では、9個のイラストの中から、実際に左側にあった持ち物を6つ選びます。
選択肢の中には、最初のイラストにはなかった物も含まれているため、覚えている物と選択肢を照らし合わせながら判断する必要があります。
さらに、
- バッグは何色だったか
- 持ち物の下に敷いてあった布は何色だったか
といった、色に関する問題にも答えます。
単純に物の名前だけを覚える課題とは異なり、持ち物・色・周囲の情報まで確認する構成になっています。
今回のプリントの特徴
1.30秒で6つの持ち物を覚える
今回の課題では、見る時間を30秒に設定しています。
これまでの60秒課題より提示時間が短いため、限られた時間の中で「どの持ち物をどの順番で見るか」もポイントになります。
すべてを一度に覚えようとするのではなく、左から順番に確認したり、名前を声に出したりする方法もあります。
2.選択肢の中から覚えていた物を探す
右側には9個のイラストがあり、その中から実際にあった6つを選びます。
何も見ずにすべて思い出して書く形式とは異なり、選択肢を見ながら記憶した内容と照合する課題です。
「見れば思い出せる物」と「選択肢を見ても迷う物」があるかなど、取り組み方の違いを見ることもできます。
3.物だけでなく色も覚える
今回のプリントでは、持ち物の種類だけでなく、バッグや布の色についても質問します。
物の名前に注意が集中すると、色などの周辺情報を覚えていない場合もあります。
そのため、イラスト全体をどのように見ていたかにも注目できる課題です。
リハビリで活用するときのポイント
作業療法などの認知課題として使用する場合には、正解数だけでなく、覚え方や思い出し方の過程にも注目できます。
たとえば、
- 持ち物を順番に見ているか
- 名前を声に出して覚えているか
- 色まで確認しているか
- 選択肢を一つずつ照合しているか
- 迷ったときに別の手掛かりを使えるか
などです。
答えが出にくい場合には、
「飲み物を入れる物はありましたか?」
「身につける物はありましたか?」
など、答えそのものを伝えずに思い出すための手掛かりを提示する方法があります。
難易度を調整する方法
やさしくする場合
- 覚える時間を30秒より長くする
- 持ち物の名前を一緒に確認する
- 最初は色を覚えず、物だけを覚える
- 選択肢を減らす
- 必要に応じてカテゴリーのヒントを出す
難しくする場合
- 覚える時間を短くする
- 絵を隠したあと、選択肢を見る前に持ち物を口頭で答えてもらう
- 物の位置まで思い出してもらう
- バッグや布以外の色についても質問する
対象者の状態や理解度に合わせて調整してください。
使用するときの注意点
今回のプリントは、物の種類だけでなく色についても覚える必要があります。
一度に多くの情報を覚えることが負担になる場合には、最初は「持ち物だけ」、慣れてきたら「色も一緒に」というように段階的に取り組む方法があります。
疲労や集中力の低下がみられた場合には、無理に続けず休憩を入れるなど調整してください。
また、本プリントは記憶障害や高次脳機能障害を診断するための正式な検査ではありません。
本課題の結果だけで医学的な判断を行わず、リハビリテーションで活用する補助教材としてご使用ください。
まとめ
今回紹介したプリントは、おでかけの持ち物を30秒間覚え、その後に持ち物や色について答える高次脳機能の記憶課題です。
課題では、
- 6つの持ち物を覚える
- 選択肢から覚えていた物を探す
- 色の情報を思い出す
- 覚えた内容と選択肢を照らし合わせる
といった方法で取り組めます。
「何があったか」だけでなく、色などの細かな情報も含めて覚えるため、これまでの数量を中心とした記憶課題とは違った形式で活用できます。
リハハウスでは、このほかにも記憶・注意・遂行機能・空間認知・半側空間無視・言語などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の状態や理解度に合わせながら、日々のリハビリテーションにご活用ください。

