このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
はじめに
私たちは日常生活の中で、「右側にある物を取る」「上の棚を探す」「左隣にある物を確認する」など、物と物の位置関係を判断しながら行動しています。
今回リハハウスでは、棚の中に並べられた園芸用品を見ながら、「右」「左」「左上」などの位置関係を考える空間認知課題プリントを作成しました。
棚の中には、じょうろ・手袋・長靴・植木鉢・園芸ばさみ・霧吹き・種・シャベル・かごが3×3の配置で並んでいます。
右側の問題文を読み、
「手袋の右にあるものは?」
「園芸ばさみの左にあるものは?」
といった質問に対して、3つの選択肢から正しい物を1つ選んで○をつけます。
※本プリントは空間認知機能を診断するための正式な検査ではありません。リハビリテーションで使用する補助教材としてご活用ください。
この空間認知課題の内容
今回のプリントでは、まず左側の棚全体を確認します。
棚は縦3列・横3列に分かれており、それぞれ異なる園芸用品が配置されています。
その配置を手掛かりに、
- 右にある物
- 左にある物
- 右隣にある物
- 左上にある物
などを考えます。
単に物の名前を探すだけではなく、基準となる物を見つけ、その物を中心として別の位置へ視線を移すことがポイントです。
今回のプリントの特徴
1.「物の位置関係」を考える課題
今回の中心となるのは、物そのものではなく物と物の位置関係です。
たとえば「手袋」を見つけたあと、その右側に何があるのかを確認します。
「どこにあるか」を意識しながら見るため、単純な絵探しとは異なる形式の空間認知課題として活用できます。
2.3×3の棚で位置を把握しやすい
棚を9つの区画に分けているため、物の配置が比較的分かりやすい構成です。
「中央」「右上」「左下」など、位置を言葉で確認しながら取り組む方法もあります。
3.選択式で回答しやすい
各問題には3つの選択肢が用意されています。
答えを文字で書く必要がなく、該当するイラストに○をつければよいため、書字量を抑えながら取り組めます。
リハビリで活用するときのポイント
作業療法などで使用する場合には、正解数だけではなく、どのように棚を見ているかにも注目できます。
たとえば、
- 最初に基準となる物を見つけられているか
- 左右を混同していないか
- 棚全体を確認できているか
- 一度見た位置へ戻ることができるか
- 「左上」など2方向を組み合わせた指示を理解できているか
などです。
難しい場合には、
「まず霧吹きを探してみましょう」
「そこから左上を見てみましょう」
というように、基準となる物と方向を分けて提示する方法があります。
難易度を調整する方法
やさしくする場合
- 「右」「左」だけの問題から始める
- 基準となる物を指さして提示する
- 棚の列や段を一緒に確認する
- 選択肢を2つに減らす
難しくする場合
- 「右下」「左上」など斜め方向を増やす
- 「○○の2つ右」など距離を加える
- 選択肢を見ずに口頭で答える
- 配置する物の数を増やす
対象者の理解度に合わせて調整してください。
使用するときの注意点
左右の理解や視覚探索に負担がある場合には、一度に複数問を行わず、1問ずつゆっくり取り組む方法がおすすめです。
また、視力や視野の状態によっては、プリントを拡大して使用するなど見やすさを調整してください。
疲労や集中力の低下がみられた場合には無理に継続せず、適宜休憩を入れます。
本課題の結果だけで高次脳機能障害や空間認知機能について医学的な判断を行わないようにしてください。
まとめ
今回紹介したプリントは、棚に並べられた物を見ながら、左右や斜め方向などの位置関係を考える高次脳機能の空間認知課題です。
課題では、
- 基準となる物を探す
- 右・左などの方向を確認する
- 物同士の位置関係を考える
- 選択肢から正しい物を選ぶ
という流れで取り組めます。
園芸用品という身近なイラストを使用し、3×3の棚で配置を分かりやすくしているため、空間認知や視覚探索を意識した机上課題として活用しやすい構成です。
リハハウスでは、このほかにも空間認知・記憶・注意・遂行機能・半側空間無視・言語などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の状態や理解度に合わせながら、日々のリハビリテーションにご活用ください。

