このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
身近な生活場面から動詞を考える課題です
今回のプリントには、家事や食事準備に関する6つの場面があります。
- 男の人がお皿を洗う
- 女の人がパンにバターを塗る
- 男の人が卵を割る
- 女の人がご飯をよそう
- 男の人が床を掃く
- 女の人がタオルをたたむ
イラストの下には、
「男の人が お皿を( )。」
のような文章が書かれています。
絵を見て「何をしているところか」を考え、空欄に入ることばを答えます。
この課題の進め方
まず、イラストをよく見ます。
次に、人物が何をしているのかを考え、文章を読みながら空欄に入る動詞を想起します。
基本的には、
- イラストを見る
- 人物や道具を確認する
- 何をしている場面か考える
- 空欄に入る動詞を声に出す
- 完成した文を読む
- 必要に応じて書き込む
という流れです。
書字が難しい場合には、口頭で答えるだけでも使用できます。
ポイントは「動詞を自分で思い出す」こと
「動詞選択課題」では、提示された候補から正しい動詞を選びます。
一方、今回の課題では選択肢がありません。
そのため、
「パンにバターを……?」
「床を……?」
と、絵と文章を手掛かりにして動詞を自分で考える必要があります。
選択式よりも手掛かりが少ないため、動詞選択課題に慣れたあとの課題としても使いやすい形式です。
「誰が・何を・どうする」に分けて考えよう
動詞が出にくい場合には、文をいくつかの要素に分けて確認します。
たとえば、
女の人が + タオルを + たたむ
というように、
誰が → 何を → どうする
の順番で考えます。
支援する場合も、
「誰がいますか?」
「何を持っていますか?」
「タオルをどうしていますか?」
と少しずつ質問すると、ことばを考えやすくなることがあります。
道具や物も大切なヒントになります
今回のイラストでは、動作だけでなく周囲の物も手掛かりになります。
たとえば、
スポンジと皿 → 洗う
バターとパン → 塗る
卵とボウル → 割る
ほうきと床 → 掃く
というように、道具と対象物の組み合わせから動作を考えることができます。
すぐに動詞が出ない場合には、まず「何が描かれているか」を一緒に確認する方法もあります。
失語症の方に使用する場合
失語症では、ことばを理解していても自分から言いにくい場合や、発話より選択形式のほうが答えやすい場合など、特徴には個人差があります。
必要に応じて、
- 最初の音を伝える
- ジェスチャーを見せる
- 2つの動詞を提示する
- 支援者が途中まで文章を読む
- 答えを復唱してもらう
など、手掛かりを調整できます。
正解・不正解だけではなく、どの程度のヒントがあると動詞を想起できるかを確認しながら活用することもできます。
難易度を調整する方法
難しい場合には、動詞の最初の一音を提示したり、2択形式に変更したりすると取り組みやすくなります。
反対に慣れてきた場合には、
- イラストだけを見て文を作る
- 過去形にする
- 「いつ」「どこで」を追加する
- 主語を変更する
- さらに長い文章を作る
などに発展できます。
たとえば、
「男の人が床を掃く」
から、
「朝、男の人が部屋の床をほうきで掃いています」
のように文章を広げることもできます。
リハビリ場面で確認したいポイント
作業療法や言語聴覚療法などで使用する場合には、
- イラストの状況を理解しているか
- 道具や対象物を認識しているか
- 適切な動詞を想起できるか
- 文として組み立てられるか
- 発話したことばを書字できるか
などに注目できます。
ただし、このプリント単独で言語機能を評価・診断するものではありません。
使用するときの注意点
選択肢のない課題は、答えを出すまでに時間がかかることがあります。
すぐに答えを伝えず、対象者に合わせて考える時間を設けてください。
また、書くことが難しい場合には発話のみ、発話が難しい場合には選択式へ変更するなど、無理のない方法で使用してください。
本プリントは失語症や高次脳機能障害を診断するための正式な検査ではありません。課題の結果のみで医学的な判断を行わないようにしてください。
まとめ|生活場面から動詞を想起してみよう
今回のプリントは、日常生活のイラストを見て適切な動詞を考え、文章を完成させる言語課題です。
「洗う」「塗る」「割る」「よそう」「掃く」「たたむ」など、家事や食事準備で使われる身近な動詞を扱っています。
イラストと文章を手掛かりにしながら、発話・文完成・書字へつなげて活用できます。
リハハウスでは、このほかにも言語・記憶・注意・遂行機能・空間認知・半側空間無視などの高次脳機能課題を公開しています。

