このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
注意機能のリハビリでは、多くの視覚情報の中から目的となる刺激を探し、よく似た刺激との違いを見分ける課題が用いられることがあります。
今回のプリントは、上部に示された見本とまったく同じ記号を、多数の似た記号の中から探して○をつける注意課題です。
紙面には、六角形を基本とした似た記号が多数配置されていますが、中に描かれている図形や線、黒い点・四角の位置などが少しずつ異なります。
そのため、大まかな形だけで判断するのではなく、複数の特徴を順番に確認し、見本とすべて一致しているかを判断することが必要です。
選択性注意、持続性注意、視覚探索、視覚的照合などを意識した高次脳機能リハビリの机上課題としてご活用ください。
※本プリントは、注意障害や高次脳機能障害を診断・評価するための正式な検査ではありません。対象者の状態や疲労に合わせてご使用ください。
見本とまったく同じ記号を探します
プリント上部には、今回探す記号の見本があります。
見本は、外側の六角形に加え、内部の図形、斜めに入った線、右上付近の黒い点など、複数の特徴から構成されています。
課題部分には、見本と似た記号が多数並んでいます。
内側が四角形になっているもの、斜線の入り方が異なるもの、黒い点の位置が違うもの、点ではなく黒い四角があるものなどが含まれています。
課題では、一部分が同じだけではなく、見本の構成がすべて一致しているものを探して○で囲みます。
選択性注意を意識した視覚探索課題
今回の素材では、正解と非常によく似た記号が多く配置されています。
そのため、「六角形の中に四角があるから同じ」といった大まかな判断だけでは、誤った記号を選びやすくなります。
必要な特徴へ注意を向けながら、条件に合わない記号を除外していくことが必要です。
このように、複数の視覚刺激の中から目的となる刺激だけを選ぶという点で、選択性注意を意識した課題として活用できます。
「どこが違うか」を確認することがポイント
見本と候補を比較するときには、確認する場所をある程度決めておくと取り組みやすくなります。
たとえば、
外側の形 → 内側の図形 → 線の向き → 黒い印の形 → 黒い印の位置
という順番で確認します。
一つひとつ照合することで、「似ている」という印象だけで判断することを減らしやすくなります。
この複数の特徴を順番に確認する工程が、単純な図形抹消課題よりも今回の素材を少し難しくしているポイントです。
持続性注意にも注目できます
紙面には多くの記号が配置されているため、最後まで一定の基準で探索を続ける必要があります。
前半では細部まで確認できていても、後半になると確認する特徴が減ったり、「だいたい同じ」と判断して誤反応したりする場合があります。
そのため、専門職が使用する際には、課題後半まで正確な照合を続けられているかにも注目できます。
疲労が強い場合には、紙面を半分ずつ実施するなど課題量を調整してください。
規則的な探索方法も重要です
見落としが多い場合には、正答数だけでなく紙面の見方にも注目します。
視線がランダムに動くと、同じ場所を何度も確認したり、未確認の場所が残ったりすることがあります。
その場合には、
「左上から右へ、1行ずつ順番に見ていきましょう」
と提示することで、規則的な視覚探索を促すことができます。
リハビリ専門職が確認したいポイント
作業療法士や言語聴覚士などが使用する場合には、次のような点を見ると課題中の特徴を整理しやすくなります。
- 正解となる記号の見落としがないか
- 点の位置や線の向きなど、特定の特徴を見落としていないか
- 黒丸と黒四角などの違いを区別できるか
- 左右・上下で見落としに偏りがないか
- 後半に誤反応が増えていないか
- 規則的な探索ができているか
- 見直しで自分の誤りを修正できるか
特に、どの特徴を確認し忘れたことで誤答したのかを見ることで、次回の課題設定につなげやすくなります。
難しい場合は範囲や確認項目を減らします
課題が難しい場合には、最初の2~3行だけを対象にします。
また、
「まず黒い点の位置を見ましょう」
「次に中の図形を確認しましょう」
など、見るポイントを一つずつ提示する方法もあります。
慣れてきたら手掛かりを減らし、自分で見本の特徴を整理して探索してもらいます。
見つけたあとに再確認してみましょう
すべて探し終わったあとに、
「○をつけた記号は、本当に見本と全部同じですか?」
と促して再確認してもらう方法があります。
さらに見つけた数を数えて記入することで、
探索 → 照合 → 選択 → 見直し → 個数確認
までを一連の課題として取り組めます。
使用するときの注意点
本プリントの結果だけで注意機能の状態を判断することはできません。
視力、視覚認知、方向や位置関係の認識、課題理解、疲労なども結果に影響する可能性があります。
特に図形や位置関係の認識が難しい場合には、その影響を考慮しながら使用してください。
まとめ|細部を照合して同じ記号を探す注意課題
今回のプリントは、多数の似た記号の中から、見本と細部まで完全に一致する記号を探す課題です。
見本を確認する → 特徴を整理する → 規則的に探索する → 細部を照合する → ○をつける → 見直す
という流れで取り組みます。
選択性注意、持続性注意、視覚探索、視覚的照合などを意識した高次脳機能リハビリの記号探索・抹消課題としてご活用ください。

