このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
はじめに
今回リハハウスでは、4つのイラストを20秒間覚え、その後に複数の選択肢から同じ物を探す高次脳機能の記憶課題プリントを作成しました。
最初に覚えるイラストは、
- りんご
- 牛乳
- 食パン
- たまご
の4つです。
まず左側の4つを20秒間見て覚えます。その後、左側を紙などで隠し、右側に並んだ8つのイラストから、先ほど見た4つと同じ物に○をつけます。
右側には、バナナ・にんじん・魚・ティッシュなど、最初にはなかったイラストも含まれています。
「何を見たのか」を一つずつ思い出しながら、記憶した内容と選択肢を照らし合わせることが今回の課題のポイントです。
※本プリントのみで記憶障害や高次脳機能障害を評価・診断することはできません。
この記憶課題の内容
課題は、
見る → 20秒間覚える → 隠す → 同じ物を探す
というシンプルな流れで行います。
左側のイラストを覚えたら、右側の8つを順番に確認し、「これはあった」「これはなかった」と判断していきます。
覚えた内容をそのまま書き出す形式ではなく、選択肢を手掛かりにして思い出す形式になっていることが特徴です。
今回のプリントの特徴
1.4つのイラストから始められる
今回覚える物は4つです。
6個や8個を覚える課題と比べて情報量が少なく、記憶課題に初めて取り組む場合や、少ない個数から始めたい場合にも使いやすい構成です。
一方で、提示時間は20秒なので、限られた時間で4つを確認する必要があります。
2.似たカテゴリーの選択肢が含まれている
覚える4つのうち、りんご・牛乳・食パン・たまごは、いずれも食事や買い物で目にすることの多い物です。
右側にもバナナ・にんじん・魚などの食品が含まれているため、「食べ物があった」という大まかな記憶だけでは答えられません。
具体的に何を見たのかを区別して覚えることがポイントです。
3.書字量を抑えて取り組める
答え方は、覚えていたイラストに○をつけるだけです。
長い文章を書いたり、すべての名称を書き出したりする必要がないため、書字量を抑えた記憶課題として活用できます。
リハビリで活用するときのポイント
作業療法などの認知課題として使用する際には、正解数だけではなく、どのように覚えているか、どこで迷っているかにも注目できます。
たとえば、
- 左から順番に見ているか
- 「りんご・牛乳…」と名前を声に出しているか
- 位置と一緒に覚えているか
- 選択肢を一つずつ確認しているか
- 似た食品で迷っているか
などです。
答えが出にくい場合には、「飲み物はありましたか?」「果物はありましたか?」など、答えそのものではなく、思い出すための手掛かりを提示する方法があります。
難易度を調整する方法
やさしくする場合
- 20秒より長く見てもらう
- 4つの名称を一緒に確認する
- 選択肢を減らす
- 食品の種類についてヒントを出す
難しくする場合
- 覚える時間を短くする
- 選択肢を見る前に4つを口頭で答えてもらう
- 選択肢を増やす
- 似た種類の食品を増やす
対象者の状態や理解度に合わせて調整してください。
使用するときの注意点
20秒間で覚えることが難しい場合には、30秒などに延長して使用しても構いません。
設定時間に無理に合わせるのではなく、取り組む方の疲労や集中の様子に応じて調整してください。
また、本プリントは記憶障害や高次脳機能障害を診断するための正式な検査ではありません。
本課題の結果だけで医学的な判断を行わず、リハビリテーションで活用する補助教材としてご使用ください。
まとめ
今回紹介したプリントは、りんご・牛乳・食パン・たまごの4つを20秒間覚え、その後に8つの選択肢から同じ4つを探す高次脳機能の記憶課題です。
課題では、
- 4つのイラストを短時間で覚える
- 覚えた内容を保持する
- 選択肢と記憶を照らし合わせる
- 見た物と見ていない物を区別する
という流れで取り組めます。
ルールがシンプルで短時間でも実施しやすいため、リハビリテーションでの机上課題や自主トレーニング用の記憶プリントとして活用できます。
リハハウスでは、このほかにも記憶・注意・遂行機能・空間認知・半側空間無視・言語などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の状態や理解度に合わせながら、日々のリハビリテーションにご活用ください。

