このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
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絵を見て正しい動詞を選ぶ言語課題です
今回のプリントでは、日常生活の場面を表したイラストと、途中まで書かれた文章が提示されています。
たとえば、
「コップで水を__」
という文章に対して、
- のむ
- きる
の2つから、イラストと文章に合うことばを選びます。
ほかにも、
- はさみで紙を切る
- くしで髪をとかす
- かぎでドアを開ける
といった、身近な動作を扱っています。
この課題のやり方
まず、イラストを確認します。
次に、イラストの横にある文章を読みます。
文章の最後に入る動詞として、2つの選択肢から適切なものを1つ選びます。
基本的な流れは、
- イラストを見る
- 何をしている場面か考える
- 文章を読む
- 2つの動詞を確認する
- 絵と文章に合うことばを選ぶ
- 完成した文章を声に出して読む
となります。
書字が難しい場合でも、○をつけたり指差したりして回答できます。
今回のポイントは「もの」と「動作」を結びつけること
今回のプリントでは、
コップ → 飲む
はさみ → 切る
くし → とかす
かぎ → 開ける
というように、道具や物と、それに関連する動作を結びつけて考えます。
単にイラストの名前を答えるのではなく、
「これは何に使うものか」
「この人は何をしているのか」
まで考える形式になっています。
動詞とは?
動詞は、動作や状態を表すことばです。
たとえば、
- 飲む
- 食べる
- 切る
- 書く
- 開ける
- 閉める
- 洗う
- とかす
などがあります。
日常会話では、名詞だけでなく動詞も頻繁に使われます。
「水」「はさみ」「ドア」といった物の名前だけでなく、「どうするのか」を表すことばを扱うのが今回の課題です。
2択なので取り組みやすい課題です
ことばを何もないところから思い出すことが難しい場合でも、選択肢があることで取り組みやすくなることがあります。
今回のプリントでは、各問題を2択にしています。
たとえば、
「はさみで紙を」
に対して、
- きる
- はく
から選びます。
正解だけでなく、もう一方のことばについて、
「“はく”は何に使うことばでしょう?」
と確認してみる方法もあります。
イラストを手掛かりに考えてみよう
文章だけでは難しい場合には、まず絵に注目します。
たとえば、はさみで紙を切っているイラストなら、
「何を持っていますか?」
「はさみですね」
「はさみで紙をどうしていますか?」
と順番に確認します。
イラストから状況を整理してから選択肢を見ることで、ことばを選びやすくなります。
文全体を読んで考えることも大切です
選択肢だけを見るのではなく、文章全体を確認します。
たとえば、
「くしで髪を__」
であれば、
「くし」
「髪」
ということばがヒントになります。
「くしで髪を食べる」では文章として不自然なので、文全体の意味から適切な動詞を選ぶことができます。
選んだ文章を声に出してみよう
プリントには、選んだ文を声に出してみるよう促す構成があります。
正解を選んだ後に、
「コップで水を飲む」
「はさみで紙を切る」
など、完成した文章として確認します。
声に出すことが難しい場合には、支援者が読み上げ、本人が指差しで確認する方法でも構いません。
対象者に合わせて、無理のない方法で活用してください。
言語課題として活用するときのポイント
作業療法や言語聴覚療法などの場面で使用する場合には、正解したかどうかだけでなく、どの段階で迷っているかを見ることもできます。
たとえば、
- イラストの状況を理解できているか
- 道具の名前が分かっているか
- 文章の意味を理解できているか
- 選択肢の動詞を理解できているか
- 適切な動詞を選べるか
- 完成した文章を確認できるか
などです。
難しい場合には、一度にすべてを求めず、確認する内容を分けて進めます。
難しい場合のサポート方法
課題が難しい場合には、次のような方法があります。
- イラストだけを先に確認する
- 物の名前を一緒に確認する
- 選択肢を読み上げる
- 1つずつ選択肢を提示する
- ジェスチャーを使う
- 正しい動作を実際に示す
たとえば「とかす」が分かりにくい場合には、くしで髪をとかす動作を実際に見せる方法もあります。
やさしくする方法
さらに簡単にしたい場合には、
- 選択肢を1つずつ提示する
- 絵と動詞だけを組み合わせる
- 文章を短くする
- 日常的によく使う動詞に限定する
- 支援者が文章を読み上げる
などの調整ができます。
最初は「絵+動詞」の対応から始め、慣れてきたら文章の中から動詞を選ぶ形式へ進めてもよいでしょう。
難易度を上げる方法
慣れてきた場合には、
- 3択・4択にする
- 選択肢をなくして自分で答える
- イラストだけを見て文章を作る
- 過去形に変える
- 否定文を作る
- 主語を加える
- 「誰が・何を・どうする」を答える
などの方法があります。
たとえば、イラストを見て、
「女性がコップで水を飲んでいます」
のように文章を広げる方法もあります。
日常生活で使う動詞を取り入れています
今回のプリントで扱っているのは、生活の中で見かけやすい動作です。
「飲む」「切る」「とかす」「開ける」のようなことばは、身の回りの行為を表すときに使われます。
そのため、課題を行ったあとに、
「家では何を飲みますか?」
「ドアを開けるときは何を使いますか?」
など、日常的な話題につなげることもできます。
失語症の方に使用する場合について
失語症では、ことばを思い出しにくい、聞いたことばを理解しにくい、文章として表現しにくいなど、現れ方には個人差があります。
そのため、同じプリントでも、
- 選択する
- 指差す
- 読む
- 復唱する
- 自分で文章を作る
など、取り組み方を対象者に合わせて調整することが大切です。
正答数だけで状態を判断せず、必要に応じて言語聴覚士などの専門職による評価と組み合わせてください。
使用するときの注意点
言語課題では、問題の理解や回答に時間がかかることがあります。
回答を急がせず、必要に応じて十分な時間を設けてください。
また、文字が読みづらい場合には支援者が読み上げる、プリントを拡大するなどの調整もできます。
疲労や集中力の低下がみられた場合には、無理に継続せず適宜休憩してください。
本プリントは失語症や高次脳機能障害を診断するための正式な検査ではありません。本課題の結果だけで医学的な判断を行わないようにしてください。
まとめ|絵と文章から適切な「ことば」を選ぼう
今回紹介したプリントは、日常生活のイラストを見て、文章に合う動詞を2択から選ぶ言語課題です。
取り組む際には、
- イラストを見る
- 場面を理解する
- 文章を読む
- 選択肢の意味を確認する
- 適切な動詞を選ぶ
- 完成した文章を確認する
という流れで進めます。
物の名前を答えるだけではなく、「何をしているか」を表す動詞と場面を結びつけるところが今回の特徴です。
リハハウスでは、このほかにも言語・記憶・注意・遂行機能・空間認知・半側空間無視などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の理解度やコミュニケーション方法に合わせながらご活用ください。

