このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
日常生活の絵から正しい動詞を選ぶ課題です
今回のプリントでは、4つの日常生活場面が提示されています。
内容は、
- 歯ブラシで歯をみがく
- タオルで顔をふく
- せっけんで手をあらう
- ドライヤーで髪をかわかす
といった身近な動作です。
それぞれの問題には2つの動詞が提示されており、イラストと文章の両方に合うことばを1つ選びます。
この課題のやり方
まず、イラストを見て「何をしている場面か」を確認します。
次に、文章を読みます。
たとえば、
「歯ブラシで歯を__」
という文章に対して、
- みがく
- たたむ
のどちらが自然かを考えます。
基本的な流れは、
- イラストを見る
- 道具や対象物を確認する
- 文章を読む
- 2つの動詞の意味を確認する
- 適切な動詞を選ぶ
- 完成した文章を声に出して確認する
となります。
書字が難しい場合には、指差しや○をつける方法でも取り組めます。
今回のポイントは「道具と動作の関係」
今回の問題では、動作と一緒に使用する道具が大きな手掛かりになります。
たとえば、
歯ブラシ → 歯をみがく
タオル → 顔をふく
せっけん → 手をあらう
ドライヤー → 髪をかわかす
という関係です。
そのため、ことばがすぐに出てこない場合には、
「これは何ですか?」
「何に使いますか?」
「何をしていますか?」
と順番に確認する方法があります。
動詞を選ぶだけでなく文全体を確認しよう
今回の課題では、選択肢だけを見るのではなく、文章全体の意味を確認することも大切です。
たとえば、
「タオルで顔を__」
という文章では、「タオル」「顔」ということばもヒントになります。
選択肢が「きる」「ふく」であれば、文章全体として自然なのは「ふく」です。
このように、イラストだけでなく、助詞や名詞を含めた文脈を手掛かりに動詞を選ぶことができます。
「動詞選択課題」として活用できます
今回のプリントは、専門職向けの分類では**「動詞選択課題」**として整理できます。
課題では、
- 動作場面の理解
- 動作語の理解
- 道具と動作の対応
- 文脈に合う動詞の選択
- 短文の理解
などを含む形式になっています。
ただし、このプリントのみから特定の言語機能を評価・診断するものではありません。
動詞・動作語とは?
動詞は、動作や状態を表すことばです。
日常生活では、
- みがく
- ふく
- あらう
- かわかす
- のむ
- きる
- あける
- しめる
など、多くの動詞を使っています。
今回の課題では、特に生活場面で使用する動作語を中心に扱っています。
名詞だけでなく、「何をするのか」を表すことばに注目する課題です。
2択にするメリット
今回のプリントでは、各問題を2択にしています。
何も手掛かりがない状態からことばを思い出す形式ではなく、候補の中から選択できます。
そのため、
「ことばはすぐには出ないけれど、選択肢を見ると分かる」
という場合にも取り組み方を調整しやすい形式です。
また、不正解の選択肢について、
「“たたむ”のは何でしょう?」
「“しめる”はどんなときに使いますか?」
と確認すると、別の動詞について考えるきっかけにもできます。
イラストを先に確認すると考えやすい
文章の理解が難しい場合には、最初にイラストだけを見ます。
たとえば手洗いの場面であれば、
「何をしていますか?」
「手ですね」
「せっけんを使っていますね」
と状況を整理します。
その後、
「せっけんで手を__」
という文章を確認すると、選択肢との対応を考えやすくなります。
選んだ文章を声に出して確認しよう
動詞を選んだあとは、
「歯ブラシで歯をみがく」
「タオルで顔をふく」
「せっけんで手をあらう」
「ドライヤーで髪をかわかす」
のように、完成した文章として確認できます。
音読が難しい場合には、支援者が読み上げて本人が聞く、あるいは指差しだけで回答するなど、対象者に合わせて調整してください。
失語症の方に使用するときの考え方
失語症では、ことばの理解や表出の難しさの現れ方に個人差があります。
そのため、同じプリントでも、
- 絵を見て選ぶ
- 選択肢を読み上げてもらって選ぶ
- 指差しで答える
- 正解した動詞を復唱する
- 文全体を音読する
- 選択肢なしで動詞を答える
など、使い方を変えることができます。
正答数だけではなく、どのような手掛かりがあると回答しやすいかを見ることも一つの使い方です。
リハビリ場面で確認したいポイント
作業療法や言語聴覚療法などで使用する場合には、どの段階で迷っているかを確認できます。
たとえば、
- イラストの状況を理解しているか
- 道具の用途を理解しているか
- 対象となる名詞を理解しているか
- 2つの動詞の意味を区別できるか
- 文脈に合う動詞を選べるか
- 完成した文章を理解できているか
などです。
「正解・不正解」だけを見るのではなく、回答までの過程も参考になります。
難しい場合のサポート方法
課題が難しい場合には、
- イラストを指差して確認する
- 道具の名前を先に確認する
- 選択肢を1つずつ読み上げる
- 動作をジェスチャーで示す
- 実物を使って動作を確認する
- 文を短くする
などの方法があります。
たとえば「かわかす」が難しい場合には、ドライヤーを使うジェスチャーを提示してから再度選んでもらう方法もあります。
さらにやさしくする方法
より簡単な課題にする場合には、
絵 → 動詞
だけの対応にします。
たとえば歯みがきの絵を見せて、
「みがく」
「たべる」
から選ぶ形式です。
文章をなくすことで、確認する情報量を減らせます。
慣れてきたら、
「歯ブラシで歯を__」
という今回の形式へ進めることができます。
難易度を上げる方法
慣れてきた場合には、
- 3択・4択にする
- 意味の近い動詞を選択肢にする
- 選択肢をなくす
- 絵だけを見て動詞を答える
- 一文を自分で作る
- 主語を追加する
- 過去形に変える
などの方法があります。
たとえばドライヤーのイラストから、
「女性がドライヤーで髪を乾かしています」
のように、より長い文章へ発展させることもできます。
ADL場面を使ってことばを考える
今回の課題では、歯みがき・洗顔・手洗い・整容といった生活場面が多く使われています。
そのため、課題終了後に、
「朝は歯をみがきますか?」
「顔をふくときは何を使いますか?」
「髪を乾かすときは何を使いますか?」
など、身近な話題につなげる方法もあります。
プリントだけで完結させず、実際の生活場面と関連付けながら活用できます。
使用するときの注意点
言語課題では、理解や回答に時間がかかることがあります。
回答を急がせず、必要に応じて十分な時間を設けてください。
文字を読むことが難しい場合には、支援者が文章や選択肢を読み上げるなど、回答方法を調整できます。
疲労や集中力の低下がみられた場合には、無理に継続せず適宜休憩してください。
本プリントは失語症や高次脳機能障害を診断するための正式な検査ではありません。本課題の結果だけで医学的な判断を行わないようにしてください。
まとめ|日常生活の絵から適切な動詞を選ぼう
今回紹介したプリントは、日常生活のイラストと文章を確認し、場面に合う動詞を2択から選ぶ言語課題です。
取り組む際には、
- イラストを見る
- 道具や対象物を確認する
- 文章を読む
- 2つの動詞を確認する
- 文脈に合うことばを選ぶ
- 完成した文章を確認する
という流れで進めます。
今回は、歯みがき・洗顔・手洗い・整容など、身近な生活動作を表す動詞を扱っていることが特徴です。
リハハウスでは、このほかにも言語・記憶・注意・遂行機能・空間認知・半側空間無視などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の理解度やコミュニケーション方法に合わせながらご活用ください。

