このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
はじめに
「さっき見た物を思い出す」「どこに何があったか覚えておく」といった記憶は、日常生活のさまざまな場面で使われています。
今回リハハウスでは、複数のイラストを60秒間覚え、その後に記憶した内容について答える高次脳機能の記憶課題プリントを作成しました。
左側には、レモン・急須・傘・本・フォークなど、身近な物のイラストが上下2段に合計10個配置されています。
まず60秒間イラストを確認したあと、中央の線でプリントを折るなどして左側を隠します。その後、右側にある5つの問題へ答えていきます。
単に物の名前を覚えるだけではなく、**「何があったか」「どこにあったか」「全部でいくつあったか」**など、複数の視点から記憶した内容を確認する課題です。
※本プリントのみで記憶障害や高次脳機能障害を評価・診断することはできません。
この記憶課題の内容
今回のプリントでは、イラストを覚えたあとに次のような問題へ取り組みます。
- 覚えている物を思い出して書く
- 急須の右隣にあった物を答える
- 下段の左から4番目にあった物を答える
- イラストが全部で何個あったか答える
- 選択肢から「なかった物」を選ぶ
同じイラストを使いながら、自由に思い出す問題・位置関係を思い出す問題・個数を答える問題・選択肢から判断する問題が組み合わされています。
今回のプリントの特徴
1.見た物を自分で思い出す
最初の問題では、選択肢を見ずに、覚えている物を思い出して記入します。
すべて思い出すことが難しい場合でも、「どのくらい思い出せたか」だけでなく、どのような方法で覚えていたかを確認できます。
書字が難しい場合は、口頭で答えても構いません。
2.物の位置関係も確認する
「急須の右隣」「下段の左から4番目」など、物の名前だけでなく配置も覚えておく必要があります。
「物は覚えているが場所は分からない」といった場合もあるため、取り組み方を観察する一つのポイントになります。
3.思い出す問題と選択式の問題がある
最後の問題では、「傘・日傘・杖」の中から、最初のイラスト群になかった物を選びます。
何も見ずに答える問題とは異なり、選択肢を見ながら記憶した内容と照らし合わせる課題になっています。
リハビリで活用するときのポイント
作業療法などの認知課題として使用する場合には、正解数だけではなく、どのように覚えようとしていたかにも注目できます。
たとえば、
- イラストを左から順番に見ているか
- 名前を声に出して覚えているか
- 上段・下段に分けて覚えているか
- 同じ種類の物をまとめて覚えようとしているか
- ヒントがあると思い出せるか
などを確認します。
答えが出にくい場合には、
「上の段には何がありましたか?」
「急須の近くを思い出してみましょう」
など、答えそのものではなく、思い出すための手掛かりを提示する方法があります。
難易度を調整する方法
やさしくする場合
- 覚える時間を60秒より長くする
- イラストの名前を一緒に確認する
- 上段と下段に分けて覚える
- 書字ではなく口頭で答える
- 必要に応じてヒントを提示する
難しくする場合
- 覚える時間を短くする
- 回答まで少し時間を空ける
- 位置まで説明してもらう
- ヒントを使わずに取り組む
対象者の理解度や疲労に合わせて調整してください。
使用するときの注意点
今回のプリントは、複数のイラストに加えて位置や個数も覚える必要があるため、負担を感じる場合があります。
疲労や集中力の低下がみられた場合は、無理に続けず、休憩を入れたり問題数を調整したりしてください。
また、本プリントは記憶障害や認知機能を診断するための検査ではありません。本課題の結果だけで医学的な判断を行わないようにしてください。
まとめ
今回紹介したNo. B-00148は、10個のイラストを60秒間覚え、その後にさまざまな形式の問題へ答える高次脳機能の記憶課題プリントです。
課題の中では、
- 見た物を思い出す
- 位置関係を思い出す
- 個数を確認する
- 選択肢と記憶を照らし合わせる
といった方法で取り組みます。
リハハウスでは、このほかにも記憶・注意・遂行機能・空間認知・半側空間無視・言語などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の状態や理解度に合わせながら、日々のリハビリテーションにご活用ください。

