このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
はじめに
今回リハハウスでは、複数のイラストを一定時間覚え、その後に思い出して答える記憶課題プリントを作成しました。
プリントの左側には、靴下・電話・鉛筆など、日常生活で見かける身近な物のイラストが10個並んでいます。
まず60秒間イラストを見て覚えたあと、中央の線で用紙を折るなどして左側を隠します。その後、右側にある問題へ答えていきます。
今回の課題は「何があったか」を思い出すだけではありません。
物の位置、並び方、個数なども含めて覚えておく必要があるため、リハハウスの記憶課題の中でもやや難しい内容になっています。
この記憶課題の内容
60秒間イラストを確認したあと、次のような問題に取り組みます。
- あった物を思い出して書く
- 電話の隣にあった物を答える
- 下段の左から3番目にあった物を答える
- イラストの個数を答える
- 選択肢から「なかった物」を選ぶ
このように、同じイラストを覚える課題でも、思い出す・位置を確認する・数を覚える・選択肢から判断するなど、異なる方法で記憶した内容を確認できる構成です。
今回のプリントの特徴
1.見た物を自分で思い出す
最初の問題では、覚えている物を自分で思い出して記入します。
選択肢がないため、「何があったか」を自分で想起しながら答える課題になります。
書字が難しい場合には、口頭で答えても構いません。
2.位置関係も覚える
「電話の隣」「下段の左から3番目」など、物そのものだけでなく、どこに置かれていたかを確認する問題もあります。
「何があったかは覚えているけれど、場所までは分からない」といった取り組み方の違いも確認できます。
3.選択式の問題もある
最後は複数のイラストを見て、「最初の画面になかった物」を選びます。
自分で答えを思い出す問題とは異なり、選択肢を見ながら記憶した内容と照合していきます。
リハビリで活用するときのポイント
作業療法などの認知課題として使用する場合は、正解数だけでなく、どのように覚えようとしているかにも注目できます。
たとえば、
- イラストを順番に見ているか
- 名前を声に出しながら覚えているか
- 上段・下段など位置と一緒に覚えているか
- 思い出せないときに別の手掛かりを使っているか
- 選択肢を見ると思い出せるか
など、対象者によって方法はさまざまです。
答えが出にくい場合には、
「上の段には何がありましたか?」
「電話の近くを思い出してみましょう」
など、答えそのものではなく、思い出すための手掛かりを提示する方法があります。
難易度を調整する方法
やさしくする場合
- 覚える時間を長くする
- 最初にイラストの名前を一緒に確認する
- 上段・下段に分けて覚える
- すべて書かず、口頭で回答する
- 必要に応じてヒントを提示する
難しくする場合
- 覚える時間を短くする
- 覚えている物をできるだけ多く書いてもらう
- 「どこにあったか」まで説明してもらう
- 回答前に少し時間を空ける
対象者の状態に応じて無理のない範囲で調整してください。
使用するときの注意点
複数のイラストや位置関係を覚える必要があるため、負担を感じる場合があります。
疲労や集中力の低下がみられた場合は、途中で休憩を入れる、問題数を減らすなどの調整を行ってください。
また、本プリントの結果だけで記憶障害や高次脳機能障害を判断することはできません。
正式な評価・診断を目的とした検査ではなく、リハビリテーションで活用する補助的な記憶課題としてご使用ください。
まとめ
今回紹介した課題は、10個のイラストを60秒間覚え、その後にさまざまな質問へ答える高次脳機能の記憶課題プリントです。
「何があったか」だけでなく、
- 見た物を思い出す
- 位置関係を思い出す
- 個数を確認する
- 選択肢と記憶を照合する
といった複数の形式で取り組めることが特徴です。
リハハウスでは、このほかにも記憶・注意・遂行機能・空間認知・半側空間無視・言語などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の状態や理解度に合わせながら、日々のリハビリテーションにご活用ください。

