このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
見本を見ながら図形の位置を再現する課題です
今回のプリントでは、左側のマス目に複数の図形が配置されています。
右側には同じ大きさの空白のマス目があり、見本と同じ位置へ同じ図形を書き写します。
使用されているのは、丸・三角・四角・星・プラスなどの比較的分かりやすい図形です。
ただし、白抜きの○と黒く塗りつぶされた●、白抜きの□と塗りつぶされた■など、似た形も含まれています。
そのため、位置だけを見るのではなく、図形の種類や塗り方まで確認して再現することがポイントです。
この空間認知課題のやり方
まず左側の見本を確認します。
一つの図形を選び、その図形が「上から何段目・左から何列目」にあるのかを確認します。
次に右側の同じマスを探し、見本と同じ図形を描きます。
すべての図形を写し終えたら、見本と完成した図をもう一度見比べてください。
形・位置・塗りつぶしの有無が一致しているかを最後に確認することで、単に描いて終わるのではなく、見直しまで含めて取り組めます。
今回の課題で確認したいポイント
このプリントでは、単純に図形を模写するだけではなく、図形と位置を結び付けて確認することが必要になります。
たとえば、見本にある●を右側に描けても、マスの位置が異なれば見本と同じ配置にはなりません。
反対に、正しい位置であっても○と●を取り違えると、見本とは異なる図になります。
「図形を見分ける」ことと「位置を確認する」ことの両方を意識して取り組みます。
マス目を利用すると位置を整理しやすい
位置が分かりにくい場合は、マス目を手掛かりにすると比較しやすくなります。
たとえば、
「上から1段目、左から2列目」
「一番右の列」
「左下のマス」
というように、位置を言葉に置き換えて確認できます。
見本と記入欄を何度も行き来しても問題ありません。
一度にすべてを覚えようとせず、1つ確認して1つ写すという方法でも取り組めます。
見本を写す順番を決めるのもおすすめ
図形が複数あると、「どの図形まで写したか分からなくなった」ということもあります。
その場合は、左上から右へ向かって順番に確認し、1段目が終わったら2段目へ移るなど、一定のルールを決めると整理しやすくなります。
また、○をすべて探してから三角、四角、星というように、同じ種類の図形ごとに確認する方法もあります。
取り組みやすい方法は人によって異なるため、対象者に合わせて調整してください。
「同じ配置を探そう」との違い
「同じ配置を探そう」の課題では、複数の候補の中から見本と一致する配置を選びます。
今回の「見本を写そう」では選択肢がなく、空白のマスへ自分で配置を再現します。
つまり、
見本を見る → 図形を識別する → 位置を確認する → 描く → 見直す
という流れで取り組むことになります。
選択式とは違い、自分で位置を決めて描くところが今回の課題の特徴です。
リハビリ場面での活用方法
作業療法などの机上課題として使用する場合には、完成した結果だけでなく、課題への取り組み方を見ることもできます。
見本を左から右へ順番に確認しているか、同じ図形を重複して描いていないか、上下左右を取り違えていないか、白抜きと塗りつぶしを見分けているか、完成後に見直しをしているかなど、取り組みの過程にも注目できます。
迷っている場合には、
「一番上の段から見てみましょう」
「この三角は左から何番目ですか?」
「右側の同じ場所はどこでしょう?」
など、見る場所を限定して声をかける方法があります。
難しい場合は課題を調整できます
最初からすべての図形を写すことが難しい場合には、1つずつ図形を指定したり、1段ずつ確認したりすると取り組みやすくなります。
図形を描く操作そのものが難しい場合には、同じ形のカードやシールを用意し、該当するマスへ置く方法に変更することもできます。
反対に慣れてきた場合には、図形の数やマス目を増やしたり、見本を見る時間を短くしたり、一定時間見たあとに見本を隠して再現したりすることで難易度を調整できます。
描き終わった後の「見直し」も活用しよう
今回の課題では、すべて描いた時点で終了するのではなく、完成した図と見本を見比べる時間を設けるのもおすすめです。
「図形の数は同じか」
「違う場所に描いたものはないか」
「○と●を間違えていないか」
などを自分で確認します。
間違いを見つけた場合も、すぐに正解を伝えるのではなく、どこが違うかを探す時間として活用できます。
使用するときの注意点
この課題では、空間的な位置の確認に加えて、実際に図形を描く操作も必要になります。
そのため、手指の動かしにくさなどがある場合には、描画そのものの難しさが影響することがあります。
必要に応じて太いペンを使用する、図形を簡略化してよいことを伝える、カードやシールに変更するなど、取り組みやすい方法へ調整してください。
また、マス目や図形が見えにくい場合には、プリントを拡大して使用することも検討します。
疲労や集中力の低下がみられた場合には、適宜休憩を入れてください。
本プリントは高次脳機能障害や空間認知障害を診断するための正式な検査ではありません。課題の結果のみで医学的な判断を行わないようにしてください。
まとめ|図形と位置を確認して見本どおりに写そう
今回紹介したプリントは、見本に配置された図形を確認し、右側の同じマスへ書き写す空間認知課題です。
取り組む際には、図形の種類・塗りつぶしの有無・マス目の位置を確認しながら、一つずつ配置を再現します。
候補から正解を選ぶ課題とは異なり、見本の情報を自分で確認して空白のマスへ再現するため、「見本を写そう」シリーズとして活用できます。
リハハウスでは、このほかにも空間認知・記憶・注意・遂行機能・半側空間無視・言語など、さまざまな高次脳機能課題を公開しています。
対象者の状態や理解度に合わせながら、日々のリハビリテーションにご活用ください。

