このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
注意機能のリハビリでは、多くの視覚情報の中から必要な対象を見つけ、よく似た刺激との違いを見分ける課題が用いられることがあります。
今回のプリントは、左側に示された時計の見本を確認し、右側に並んだ多数の時計の中から、見本とまったく同じものだけを探して○で囲む注意課題です。
紙面には、オレンジ・青・緑・黄色など色の異なる時計や、針の向き、形、ベルの有無などが少しずつ異なる時計が配置されています。
そのため、単に「オレンジ色の時計」を探すだけではなく、色・時計の形・針の位置・中心部分など複数の特徴を照合し、完全に一致するものを選ぶことが必要です。
選択性注意、持続性注意、視覚探索、視覚的照合などを意識した高次脳機能リハビリの机上課題としてご活用ください。
※本プリントは、注意障害や高次脳機能障害を診断・評価するための正式な検査ではありません。対象者の状態や疲労に合わせてご使用ください。
見本とまったく同じ時計を探します
プリント左側には、探す対象となる時計の見本があります。
右側には似た時計が多数並んでいますが、よく見ると、本体の色、針の向き、時計の形、ベルや脚の形などが異なっています。
課題では、
「似ている時計」ではなく、「見本と細部まで同じ時計」
を探して○で囲みます。
最後に見つけた数を記入することで、探索後の確認まで行える構成です。
選択性注意を意識した視覚探索課題
今回のプリントには、正解となる時計とよく似た刺激が多数あります。
たとえば、本体がオレンジ色でも針の向きが異なる時計や、針は同じでも時計の形が違うものがあります。
そのため、目立つ特徴だけを見て判断するのではなく、
「見本とすべての特徴が一致しているか」
を確認しなければなりません。
多くの視覚情報の中から不要な刺激を除外し、目的となる対象だけへ注意を向けるという点で、選択性注意を意識した視覚探索課題として活用できます。
時計の針まで確認することがポイント
今回の素材では、時計の色だけではなく、針の向きも重要な手掛かりになります。
見本と似た色の時計を見つけても、針が異なれば正解ではありません。
そのため、
見本を見る → 色を確認する → 形を見る → 針の向きを確認する → 一致を判断する
という順番で比較すると取り組みやすくなります。
細部まで確認する必要があるため、単純な同じ絵探しよりも視覚的な照合が求められる課題です。
持続性注意にも注目できます
多数の時計を最後まで確認するためには、一定時間注意を維持する必要があります。
前半では丁寧に見比べられていても、後半になると「色が同じだから」と判断してしまったり、針の違いを見落としたりすることがあります。
そのため、リハビリ専門職が使用する場合には、課題後半まで同じ基準で照合できているかにも注目できます。
疲労によって誤答や見落としが増える場合には、課題範囲を分けるなどの調整も可能です。
リハビリ専門職が確認したいポイント
専門職が使用する場合は、最終的な正答数だけでなく、課題中の取り組み方も確認できます。
- 見本の特徴を正確に捉えられるか
- 色だけでなく針の向きまで確認できるか
- 似た時計を誤って選ばないか
- 左上から順序立てて探索できるか
- 紙面の左右・上下で見落としに偏りがないか
- 後半でも正確性を維持できるか
- 見直しによって自分で誤りを修正できるか
特に、どの特徴を見落として誤答したのかを見ることで、課題中の特徴を把握しやすくなります。
難しい場合は探索範囲を小さくします
紙面全体を一度に行うことが難しい場合には、最初の1段だけ、左半分だけなど、探索範囲を限定します。
見本との比較が難しい場合には、
「時計の色は同じですか?」
「針の向きも同じですか?」
と確認するポイントを一つずつ提示します。
見落としが多い場合には、左上から右へ1つずつ確認するなど、一定の探索方法を一緒に練習する方法もあります。
見つけたあとに自己確認してみましょう
すべて探し終えたら、
「○をつけた時計は、本当に見本と同じですか?」
と促し、自分で再確認してもらうこともできます。
最後に見つけた数を数えることで、
探索 → 照合 → 見直し → 個数確認
まで一連の流れとして取り組めます。
自分で見落としや誤選択に気づけるかを確認する機会にもなります。
使用するときの注意点
本プリントの結果だけで注意機能の状態を判断することはできません。
課題結果には、視力、色の識別、視覚認知、方向認知、記憶、探索方法なども影響する可能性があります。
また、時計の針を比較する要素があるため、方向の認識が難しい場合には、その点を考慮しながら課題結果を捉える必要があります。
まとめ|見本と同じ時計を照合して探す注意課題
今回のプリントは、見本の時計を確認し、多数の似た時計の中から細部まで同じものだけを探す注意課題です。
見本を見る → 特徴を確認する → 紙面を探索する → 見本と照合する → 一致する時計を選ぶ → 見直す
という流れで取り組みます。
選択性注意、持続性注意、視覚探索、視覚的照合などを意識した高次脳機能リハビリの机上課題としてご活用ください。
リハハウスでは、このほかにも注意障害のリハビリ課題、視覚探索課題、選択性注意課題、見本照合課題、記憶課題、遂行機能課題などを公開しています。

