このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
電車に間に合うように時刻を考える課題です
プリントには、外出予定を考えるための情報が示されています。
- 電車の出発時刻
- 駅へ何分前に到着するか
- 家から駅までの移動時間
- 出かける準備に必要な時間
これらを確認して、
①何時に家を出るか
②何時から準備を始めるか
を考えます。
複数の時間情報を整理しながら答えを導くため、日常生活での予定管理に近い課題です。
ポイントは「電車の時刻から逆算する」こと
公共交通機関を利用するときには、出発時刻そのものだけでなく、余裕をもって駅へ到着する必要があります。
考える順番は、
電車の出発時刻
→ 駅への到着時刻
→ 家を出る時刻
→ 準備を始める時刻
となります。
最終的な予定から一段階ずつ時間を戻していくことが、この課題のポイントです。
「今から何分後か」を考えるだけでなく、ゴールから逆向きに予定を組み立てる必要があります。
この課題の進め方
まず、電車が何時に出発するのかを確認します。
次に、
「駅には何時までに着いておく必要がありますか?」
と考えます。
駅への到着時刻が分かったら、自宅から駅までにかかる時間を戻して、家を出る時刻を求めます。
最後に、外出準備に必要な時間をさらに戻し、準備開始時刻を考えます。
一度にすべて計算するのではなく、途中の時刻を一つずつ整理すると取り組みやすくなります。
遂行機能課題としての特徴
今回の課題では、正しく引き算できるかだけでなく、
「どの情報を最初に使うか」
「次に何を考えるか」
「途中で求めた時刻を覚えておけるか」
といった要素も含まれます。
そのため、単純な計算問題というよりも、目的に合わせて行動を計画する課題として活用できます。
日常生活では、電車やバス、病院の予約、待ち合わせなど、時間を逆算する場面が多くあります。
難しい場合は段階を分けましょう
複数の条件を同時に扱うことが難しい場合には、一つずつ進めます。
まず、
「駅には何時に着けばよいですか?」
だけを考えます。
次に、
「そこから家までは何分かかりますか?」
と出発時刻を考え、最後に準備時間を加えます。
必要に応じて、
- 時刻を紙に書き出す
- アナログ時計を使う
- 5分・10分単位で時間を戻す
- 支援者と一緒に途中経過を確認する
といった方法も使えます。
実生活の予定へ発展できます
この課題形式は、実際の外出予定にも応用しやすいのが特徴です。
たとえば、
- 電車で通院する
- バスで買い物へ行く
- 家族との待ち合わせ
- デイサービスの送迎
- 趣味や習い事へ出かける
などです。
本人が普段利用する交通機関の時刻を使って、
「何時に準備を始めれば間に合いますか?」
と一緒に考えることで、より生活に近い課題へつなげられます。
難易度を上げる方法
慣れてきた場合には、条件を増やすこともできます。
たとえば、
「駅まで徒歩10分」
「切符を買うのに5分」
「ホームまで移動するのに3分」
など、必要な行動を追加します。
また、最初に条件を覚えてから表示を隠したり、
「どういう順番で考えましたか?」
と説明してもらったりすると、より複雑な計画課題になります。
リハビリ場面で確認したいポイント
専門職が使用する場合には、答えの正誤だけではなく、
- 条件を理解できているか
- 必要な情報を選択できるか
- 逆算する順序を考えられるか
- 途中の時刻を保持できるか
- 計算結果を確認できるか
- 間違いに気づいて修正できるか
- どの程度の手掛かりが必要か
などにも注目できます。
なお、時刻計算の難しさには、遂行機能だけでなく、注意・記憶・計算・時計の理解などが関係する場合があります。
使用するときの注意点
間違えた場合には、すぐに答えを伝えるのではなく、
「電車は何時に出ますか?」
「駅には何分前に着く予定ですか?」
と、一つ前の段階へ戻る声かけが使えます。
一方で、失敗が続いて負担が大きくなる場合には、途中の時刻を書き出すなど手掛かりを増やしてください。
本プリントは正式な神経心理学的検査ではなく、リハビリや自主練習を補助する教材としてご活用ください。
まとめ|電車の時刻から外出を計画する遂行機能課題
今回のプリントは、電車の出発時刻をもとに、
駅への到着時刻 → 家を出る時刻 → 準備開始時刻
を逆算する遂行機能課題です。
公共交通機関を利用する身近な場面を使いながら、時間管理・計画・段取り・見通しを考える練習ができます。
対象者の状態に合わせて、条件の数や声かけの量を調整しながらご活用ください。
リハハウスでは、このほかにも遂行機能、注意、記憶、空間認知、言語などの高次脳機能課題を公開しています。

