このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
決められた順番を守って迷路を進みます
プリント上部には、通る場所の順番が示されています。
①返却口
↓
②本棚
↓
③貸出カウンター
↓
出口
まず順番を確認し、そのあとスタート地点から迷路を進みます。
途中で出口に近い道を見つけても、指定された3か所を順番に通っていなければ課題は終了しません。
単に道を探すだけではなく、複数の目標を順番に処理することがポイントです。
通常の迷路より考える要素が多い課題です
一般的な迷路では、「スタートからゴールまで進む」という1つの目標があります。
今回の課題では、
「まず返却口へ行く」
「次に本棚へ行く」
「そのあと貸出カウンターへ行く」
という複数の目標を順番に達成する必要があります。
迷路を進みながら、
「今は何番目か」
「次の目的地はどこか」
「この道を進んでも次の場所へ行けるか」
と考える必要があります。
この課題の進め方
最初に、プリント上部の「通る順番」を確認します。
そのあと、スタート地点から鉛筆で経路をたどります。
基本的な流れは、
- 通る順番を確認する
- 返却口を目指す
- 本棚へ進む
- 貸出カウンターへ進む
- 最後に出口を目指す
となります。
すぐに線を引かず、指で経路を確認してから取り組む方法もあります。
順序を覚えながら行動する練習
この課題では、次の目的地を覚えながら進む必要があります。
たとえば返却口へ到着したあとに、
「次はどこへ行きますか?」
と確認してみます。
答えられない場合には、上部に書かれた順番をもう一度見ても構いません。
反対に難易度を上げる場合には、最初に順番を覚えてもらい、その後は上部の表示を隠して進める方法もあります。
計画してから進む方法もおすすめです
迷路を見つけたらすぐ線を引くのではなく、
「返却口へ行くにはどちらへ進みますか?」
「この道は行き止まりになりそうですか?」
など、進む前に経路を考えてもらう方法があります。
先を見通してから行動することで、単なる視覚探索だけではなく、計画して行動する課題として使いやすくなります。
間違えた場合には、どこまで戻ればよいかを本人に考えてもらうのも一つの方法です。
図書館という身近な場面を利用
今回のプリントでは、返却口・本棚・貸出カウンター・出口といった、図書館で見かける場所を使用しています。
課題終了後には、
「本を返すときはどこへ行きますか?」
「本を借りたあとはどこへ行きますか?」
など、日常生活に関連した会話へ広げることもできます。
生活場面をイメージできる素材を使用することで、単純な図形迷路とは異なる取り組み方ができます。
難しい場合の調整方法
課題が難しい場合には、手掛かりを増やして調整できます。
- 次の目的地をその都度伝える
- 目的地を指差して確認する
- 指で経路をたどってから線を引く
- 1つの目的地までを一区切りにする
- 行き止まりの手前で声かけをする
一度にすべての順序を保持することが難しい場合には、**「まず返却口まで」**のように段階的に進めても構いません。
難易度を上げる方法
課題に慣れてきた場合には、支援を減らします。
たとえば、
- 順番を記憶してから取り組む
- 経路を先に口頭で説明してもらう
- 間違いに自分で気づいて修正してもらう
- できるだけ短い経路を考えてもらう
などです。
さらに、
「なぜこの道を選びましたか?」
と質問すると、自分の行動を説明する課題へ発展させることもできます。
リハビリ場面で確認したいポイント
作業療法などで活用する場合には、ゴールできたかだけではなく、
- 指示された順番を理解できるか
- 順番を途中まで保持できるか
- 次の目的地を自分で確認できるか
- 先を見ながら経路を選べるか
- 行き止まりに気づけるか
- 間違いを自分で修正できるか
- 支援量によって遂行が変化するか
など、課題への取り組み方も確認できます。
ただし、本プリントのみで遂行機能障害の有無や程度を判断することはできません。
使用するときの注意点
間違った道へ進んだ場合には、すぐに正解を教えるのではなく、
「次に行く場所はどこでしたか?」
など、本人が気づける声かけを行う方法があります。
一方で、失敗が続いて負担が大きくなる場合には、手掛かりを増やしてください。
本プリントは、正式な神経心理学的検査ではなく、リハビリや自主練習を補助する教材としてご活用ください。
まとめ|順序と計画を組み合わせた遂行機能課題
今回のプリントは、
返却口 → 本棚 → 貸出カウンター → 出口
という順番を守りながら迷路を進む遂行機能課題です。
単純な迷路に、順序を覚える・次の行動を選ぶ・経路を計画する・間違いを修正するといった要素を加えています。
対象者の状態に合わせて、順番の提示方法や声かけの量を調整しながらご活用ください。
リハハウスでは、このほかにも遂行機能、注意、記憶、空間認知、言語などの高次脳機能課題を公開しています。

