このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
順番を守りながら迷路を進む課題です
プリント上部には、通る順番が示されています。
① 冷蔵庫
↓
② 流し台
↓
③ コンロ
↓
食卓
まずこの順番を確認してからスタートします。
途中にはそれぞれの場所がイラスト付きで配置されているため、文字だけではなく視覚的にも確認できます。
目的地を一つ見つけたら終わりではなく、次に進む場所を考えながら迷路を続けていきます。
通常の迷路との違い
一般的な迷路では、「スタートからゴールへ到達する」という一つの目標があります。
今回の課題では、それに加えて複数の中間目標があります。
たとえば、食卓への近道が見つかったとしても、冷蔵庫・流し台・コンロを順番に通っていなければ課題は完了しません。
そのため、
「次はどこへ行くのか」
「まだ立ち寄っていない場所はどこか」
「この道を選んでも次の目的地へ行けるか」
などを考えながら進める必要があります。
この課題の進め方
最初に、上部に書かれている「通る順番」を一緒に確認します。
その後、スタート地点から線を引きながら迷路を進みます。
基本的には、
- 通る場所と順番を確認する
- スタート位置を確認する
- 冷蔵庫を目指す
- 次に流し台へ進む
- コンロへ進む
- 最後に食卓を目指す
という流れです。
途中で行き止まりになった場合は、少し戻って別の道を検討します。
順序を保持しながら進むことがポイント
この課題では、迷路を解く力だけでなく、決められた順番を途中まで覚えておくことが必要になります。
たとえば冷蔵庫へ到着したあと、
「次はどこでしたか?」
と確認すると、順序を保持できているかを見ることができます。
難しい場合には、プリント上部の順番を何度確認しても構いません。
逆に難易度を上げたい場合には、最初に順番を覚えてから上部を隠して取り組む方法もあります。
計画しながら進む練習にも
進路をその場で選ぶだけでなく、
「この道を進んだら流し台へ行けそうか」
と、少し先を見ながら考える使い方もできます。
すぐに線を引かず、
「まずどの方向へ行きますか?」
「ここから冷蔵庫へ行くにはどちらがよさそうですか?」
と確認してから進んでもらう方法もあります。
対象者によっては、指で経路をたどってから鉛筆で線を引く方法も取り組みやすいでしょう。
日常生活をイメージしやすい内容
冷蔵庫、流し台、コンロ、食卓という、生活の中で身近な場所を使用しています。
単なる記号ではなく、食事の準備をイメージしやすい配置になっているため、
「冷蔵庫から材料を出したら次はどうしますか?」
「料理ができたらどこへ運びますか?」
など、生活場面の会話へ広げることもできます。
ただし、課題上の順番が実際の調理工程を評価するものではありません。
難しい場合の調整方法
課題が難しい場合には、支援方法を調整できます。
たとえば、
- 次の目的地をその都度確認する
- 目的地を指差してから進む
- 支援者と一緒に経路を探す
- 鉛筆を使わず指でたどる
- 1つの目的地ごとに休憩する
などです。
一度にすべてを行うことが難しい場合には、「まず冷蔵庫まで」のように区切って進めても構いません。
難易度を上げるなら
課題に慣れてきた場合には、手掛かりを減らすことができます。
たとえば、順番を最初に覚えてから表示を隠す、目的地までの経路を先に口頭で説明してから線を引く、間違えたときに自分で修正方法を考えてもらうなどです。
また、
「なぜこの道を選びましたか?」
と確認することで、自分の計画をことばで説明する課題へ発展させることもできます。
リハビリ場面で確認したいポイント
作業療法などで使用する場合には、ゴールできたかだけでなく、
- 指示された順番を理解できるか
- 順番を途中まで保持できるか
- 次の目的地を自分で確認できるか
- 行き止まりに気づけるか
- 間違えたあとに修正できるか
- 先を見ながら進路を考えられるか
など、課題への取り組み方も確認できます。
ただし、本プリントのみで遂行機能障害の有無や程度を判断することはできません。
使用するときの注意点
迷路で間違えた場合でも、すぐに正解を教える必要はありません。
本人が間違いに気づき、どこまで戻ればよいか考える過程も課題の一部になります。
一方で、失敗が続いて負担が大きくなる場合には、目的地を指差すなど手掛かりを増やしてください。
本プリントはリハビリや自主練習を補助する教材であり、正式な神経心理学的検査の代わりとなるものではありません。
まとめ|順番・計画・迷路を組み合わせた遂行機能課題
今回のプリントは、
冷蔵庫 → 流し台 → コンロ → 食卓
という決められた順番を確認しながら迷路を進む遂行機能課題です。
単純にゴールを探すだけではなく、順番を覚える・次の目的地を確認する・進路を考える・間違いを修正するといった複数の要素を組み合わせています。
対象者の状態に合わせて、順番の提示や声かけの量を調整しながらご活用ください。
リハハウスでは、このほかにも遂行機能、注意、記憶、空間認知、言語などの高次脳機能課題を公開しています。

