このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
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注意機能のリハビリでは、たくさんの視覚情報の中から、決められた条件に一致するものだけを探す課題が用いられることがあります。
今回のプリントは「駅の忘れ物チェック」をテーマに、さまざまな持ち物のイラストの中から、指定された物だけを見つけて○で囲む注意課題です。
探すものは、**「黒いかさ」「茶色いかばん」「緑の帽子」**の3種類です。
紙面には、色の異なる傘や帽子、複数種類のかばん、手袋、水筒、マフラーなどが混在しています。そのため、単に「傘を探す」「帽子を探す」のではなく、物品の種類と色の両方を確認して対象を選択することが必要です。
選択性注意、持続性注意、視覚探索、複数条件の保持などを意識した高次脳機能リハビリの机上課題として活用できます。
作業療法士(OT)や言語聴覚士(ST)などが、注意障害や高次脳機能障害に対するリハビリ課題を検討する際にも使用しやすいプリントです。
※本プリントは注意障害や高次脳機能障害を診断・評価する正式な検査ではありません。対象者の状態に合わせてご活用ください。
3つの指定された忘れ物を探します
プリントには、駅に置き忘れそうなさまざまな持ち物が並んでいます。
その中から、
黒いかさ・茶色いかばん・緑の帽子
だけを見つけて○で囲みます。
ここで重要なのは、物の種類だけではなく色まで一致しているかを確認することです。
たとえば、赤や青の傘があっても対象ではありません。帽子についても、緑色以外は飛ばす必要があります。
そのため、「何の物か」と「何色か」という2つの情報を組み合わせながら判断します。
選択性注意を意識した視覚探索課題
紙面には、目的の対象と似たイラストが複数配置されています。
黒い傘を探しているときに赤い傘や青い傘が目に入ったり、緑の帽子を探している途中で青い帽子や黄色い帽子が見つかったりします。
そのため、
「似ているから選ぶ」のではなく、「指定された条件に一致しているかを確認する」
必要があります。
複数の刺激がある中から必要な対象だけに注意を向けるという点で、選択性注意を意識した課題として活用できます。
「物+色」の条件を保持しながら探します
今回の課題では、探す対象が3種類あるだけでなく、それぞれに色の条件があります。
そのため、
「傘」ではなく「黒い傘」
「かばん」ではなく「茶色いかばん」
「帽子」ではなく「緑の帽子」
として覚えておく必要があります。
探索途中で「何を探していたか」が曖昧になる場合には、右上の見本を確認しながら進めても構いません。
見本を何回確認したか、途中で条件を取り違えていないかなども、専門職が課題中に観察できるポイントです。
視覚探索では「探し方」にも注目できます
正答数だけではなく、どのような順番で紙面を見ているかにも注目できます。
左上から右へ規則的に探しているのか、視線が紙面のあちこちへ移動しているのか、一度見た場所へ何度も戻っているのかなど、探索方法には個人差があります。
見落としが多い場合には、
「左上から順番に見てみましょう」
など、一定の探索方法を提示することで取り組みやすくなる場合があります。
リハビリ専門職が確認したいポイント
課題中は、指定された3種類を正しく選べるか、色の違う同種の物を誤って選ばないか、同じ対象を見落とさないかなどを確認します。
また、紙面の右側や左側など特定の範囲で見落としが多くないか、後半まで探索を継続できるか、自分で再確認して見落としに気づけるかなども参考になります。
特に今回のような課題では、対象そのものの見落としと、色条件の取り違えを分けて見ると、課題中の特徴を把握しやすくなります。
難しい場合は探す条件を減らします
3種類を同時に探すことが難しい場合には、まず1種類だけにします。
たとえば、
「最初は黒いかさだけを探しましょう」
と設定し、すべて見つけたあとに次の対象へ進みます。
慣れてきたら2種類、3種類と増やすことで難易度を調整できます。
また、紙面の上半分だけを探すなど、探索する範囲を小さくする方法もあります。
慣れてきたら見直しまで行います
すべて見つけたと思ったところで、
「見落としがないか、もう一度確認してみましょう」
と声をかけ、自分で再探索してもらう方法もあります。
一度探した場所をどのように見直すか、自分で見落としに気づけるかなどを確認できます。
ただし、対象者の疲労が強い場合には無理に最後まで行わず、課題量を調整してください。
注意課題として使用するときの注意点
本プリントの結果だけで注意機能の状態を判断することはできません。
視力、視覚認知、色の識別、物品の理解、記憶、探索方法なども課題結果に影響する可能性があります。
また、見落としがあった場合にも、すぐに場所を教えるのではなく、
「まだ残っていないか見直してみましょう」
と促し、自分で確認できるかを見る方法があります。
まとめ|色と物品を組み合わせて探す視覚探索課題
今回のプリントは、駅の忘れ物をテーマに、「黒いかさ」「茶色いかばん」「緑の帽子」だけを探して○で囲む注意課題です。
見本を確認する → 色と物品を覚える → 紙面を探索する → 条件に合う対象を選ぶ → 見直す
という流れで取り組みます。
選択性注意、持続性注意、視覚探索、複数条件の保持などを意識した高次脳機能リハビリの机上課題としてご活用ください。
リハハウスでは、このほかにも注意障害のリハビリ課題、視覚探索課題、選択性注意課題、記憶課題、遂行機能課題などを公開しています。

