このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな課題を増やしてほしいなどがありましたら、ぜひリクエストしてください。
はじめに
周囲から必要な情報を探し出し、順番を確認しながら行動することは、日常生活のさまざまな場面で求められます。
今回リハハウスでは、①から⑮までの数字を順番に探して線でつなぐ、TMT形式の注意課題プリントを作成しました。
今回の特徴は、スタートの①とゴールの⑮が紙面中央付近に近接している一方で、途中の②〜⑭は上下左右へ大きく散らばっていることです。
一見するとゴールはすぐ近くにありますが、数字の順番に従って進むためには、紙面全体を何度も見渡しながら次の数字を探す必要があります。
※本プリントはTMT(Trail Making Test)の課題形式を参考にしたリハビリテーション用教材です。標準化されたTMTそのものではなく、診断や正式な評価を目的とした検査ではありません。
この注意課題の内容
プリントには①〜⑮の数字がランダムに配置されています。
中央付近にある「スタート」の①から、
① → ② → ③ → ④ → …… → ⑮
の順番で数字を探し、線でつないでいきます。
②は下方、③は右上、④は左側、⑤は右側というように、次の数字が異なる方向へ配置されています。
そのため、単に近くの数字を探すのではなく、次に必要な数字を意識しながら紙面全体へ探索範囲を広げることがポイントです。
最後は再び中央付近にある⑮へ戻ってゴールとなります。
今回のプリントの特徴
1.視線を大きく移動させる配置
次の数字が同じ方向に続くとは限りません。
上・下・左・右へ視線を切り替えながら探すため、紙面全体を確認する必要があります。
2.スタートとゴールが近い配置
①と⑮は近い位置にありますが、その間には②〜⑭までの探索があります。
見えているゴールへ直接向かわず、決められた順序を保ちながら課題を進めることが重要です。
3.探索の方法を観察しやすい
目的の数字を見つけられないとき、
- 同じ場所を繰り返し見ているか
- まだ見ていない範囲へ視線を移せるか
- 次に探す数字を確認できているか
- 数字を飛ばしていないか
など、課題への取り組み方を確認できます。
リハビリで活用するときのポイント
このような数字探索課題では、終了までの時間だけで判断するのではなく、数字をどのように探しているかを見ることも大切です。
たとえば、数字が見つからない場合に、
「次は何番ですか?」
「まだ見ていない場所はありますか?」
「反対側も確認してみましょう」
など、答えを直接示さず、探索方法を整理する声かけができます。
また、線を引くことが難しい場合には、数字を順番に指差す方法でも使用できます。
対象者の状態に応じて、筆記課題としてだけでなく、視覚探索を中心とした課題として使い分けることができます。
難易度を調整する方法
やさしくする場合
- 次に探す数字を口頭で確認する
- 指差しだけで進める
- 紙面を上下左右に分けて探す
- 探索する範囲についてヒントを出す
難しくする場合
- ヒントを減らす
- 自分で次の数字を確認しながら進める
- 課題終了後に探索方法を振り返る
- どこで迷ったのか説明してもらう
同じプリントでも、声かけや進め方を変えることで難易度を調整できます。
使用するときの注意点
数字が紙面全体へ広く配置されているため、視覚的な探索を続けることで疲労を感じる場合があります。
集中力が低下してきた場合には無理に続けず、休憩を入れたり実施時間を短くしたりしてください。
また、視力や視野、数字の見え方なども課題の取り組みやすさに影響する場合があります。必要に応じて印刷サイズや照明環境にも配慮します。
本プリントは高次脳機能障害や注意障害を診断するための検査ではありません。また、本課題の実施によって特定の症状が改善することを保証するものではありません。
まとめ
今回紹介したNo. B-00010は、①から⑮までの数字を順番に探してつなぐTMT形式の注意課題です。
スタートとゴールは中央付近にありますが、途中の数字は紙面全体へ広く配置されています。
そのため、
- 次の数字を確認する
- 上下左右へ視線を動かす
- 順番を保ちながら進める
- 見落とした範囲を探し直す
といった流れで取り組めます。
リハハウスでは、このほかにも注意・記憶・遂行機能・空間認知・半側空間無視・言語などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の状態や理解度に合わせながら、日々のリハビリテーションにご活用ください。

