このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな課題を増やしてほしいなどがありましたら、ぜひリクエストしてください。
はじめに
日常生活では、一つのことだけに注意を向け続けるのではなく、状況に応じて確認する内容を切り替えながら行動する場面があります。
今回リハハウスでは、数字とひらがなを交互に探しながら線でつなぐ、高次脳機能の注意課題プリントを作成しました。
スタートの「1」から始め、
1 → あ → 2 → い → 3 → う → 4 → え → 5 → お → 6 → か → 7 → き → 8 → く → 9 → け → 10 → こ
の順番で、数字とひらがなを交互につないでゴールを目指します。
単純に数字や文字を探すだけではなく、「次は数字か、ひらがなか」を確認しながら探索することが今回の課題の特徴です。
※本プリントはTMT-B(Trail Making Test Part B)の課題形式を参考に作成したリハビリテーション用教材です。標準化されたTMT-Bそのものではなく、診断や正式な評価を目的とした検査ではありません。
この注意課題の内容
プリントには、1〜10までの数字と、「あ・い・う・え・お・か・き・く・け・こ」のひらがながランダムに配置されています。
最初に「1」を確認したら、次は「あ」を探します。
「あ」を見つけたら「2」、次は「い」というように、数字とひらがなを交互に切り替えながら進めます。
数字だけ、ひらがなだけを順番に探す課題とは異なり、2種類の系列を同時に意識する必要があります。
今回のプリントの特徴
1.数字と文字を交互に確認する
「1の次は2」ではなく、「1の次はあ」「あの次は2」と進みます。
次に探す対象が毎回変わるため、課題のルールを確認しながら進めることがポイントです。
2.紙面全体から目的の情報を探す
数字とひらがなは紙面全体に広く配置されています。
次の対象が近くにあるとは限らないため、上下左右へ視線を動かしながら探索します。
3.順番の切り替えを確認しやすい
課題中に、
- 数字同士をそのままつないでしまう
- ひらがなの順番で迷う
- どちらを探す番なのか分からなくなる
- 一度間違えたあとに自分で修正する
など、取り組み方を確認できます。
リハビリで活用するときのポイント
作業療法などで使用する場合には、終了までの時間だけではなく、どこで迷ったのか、どのように切り替えているのかにも注目します。
たとえば、
「今は数字とひらがなのどちらを探す番ですか?」
「次の文字は何でしょう?」
「まだ見ていない場所はありますか?」
など、答えを直接教えるのではなく、課題のルールや探索方法を整理する声かけができます。
線を引くことが難しい場合には、順番に指差すだけでも使用できます。
難易度を調整する方法
やさしくする場合
- 次に探す対象を口頭で確認する
- 数字とひらがなの順番を書いた見本を置く
- 線を引かず、指差しだけで進める
- 必要に応じて探索する範囲を伝える
難しくする場合
- ヒントを減らす
- 見本を使わずに最後まで進める
- 間違えた場合も自分で確認して修正してもらう
- 終了後に迷った場所を振り返る
対象者の理解度や疲労に応じて調整してください。
使用するときの注意点
数字とひらがなの2種類を確認しながら進めるため、数字だけをつなぐ課題より負担を感じる場合があります。
集中力が低下したり、混乱が強くなったりした場合には無理に継続せず、休憩を入れる、途中までにするなど調整してください。
また、数字や文字の見え方には視力・視野・照明環境なども影響します。
本プリントは注意障害や高次脳機能障害を診断するための検査ではありません。また、本課題の実施によって特定の症状が改善することを保証するものではありません。
まとめ
今回紹介したNo. B-00018は、数字とひらがなを交互に探してつなぐTMT-B形式の注意課題プリントです。
数字だけの課題とは異なり、
- 数字の順番を確認する
- ひらがなの順番を確認する
- 2種類の系列を交互に切り替える
- 紙面全体から次の対象を探す
- 間違いに気付いて修正する
といった流れで取り組めます。
リハハウスでは、このほかにも注意・記憶・遂行機能・空間認知・半側空間無視・言語などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の状態や理解度に合わせながら、日々のリハビリテーションにご活用ください。

