このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
はじめに
旅行の準備では、「何を持っていくか」だけでなく、「何枚必要か」「何足持っていくか」など、物と数量を合わせて確認する場面があります。
今回リハハウスでは、旅行の持ち物を60秒間覚え、その後に記憶した内容について答える高次脳機能の記憶課題プリントを作成しました。
左側には、Tシャツ・靴下・歯ブラシ・タオル・帽子・充電器といった旅行で使う身近な持ち物が並び、それぞれに数量が表示されています。
まず60秒間、持ち物と数量を確認します。その後、中央でプリントを折るなどして左側を隠し、右側の質問へ答えていきます。
今回のポイントは、「何があったか」だけでなく「いくつあったか」までセットで覚えることです。
※本プリントのみで記憶障害や高次脳機能障害を評価・診断することはできません。
この記憶課題の内容
旅行の持ち物を60秒間確認したあと、記憶した内容について複数の問題に答えます。
課題には、
- 持ち物をできるだけ思い出して書く
- Tシャツが何枚だったか答える
- 2足あった物を思い出す
- 歯をみがくときに使う物を答える
- 数字が最も大きかった物を答える
といった問題が含まれています。
単に物の名前だけを記憶するのではなく、名称・数量・用途など、複数の情報を関連付けながら確認する構成になっています。
今回のプリントの特徴
1.持ち物と数量をセットで覚える
今回のプリントには、それぞれの持ち物と一緒に「3枚」「2足」「1本」などの数量が表示されています。
そのため、
「Tシャツがあった」
だけではなく、
「Tシャツは3枚だった」
というように、物と数字を組み合わせて覚えることがポイントです。
2.旅行という身近な場面を使った課題
「旅行の準備」という具体的な場面を設定しています。
Tシャツ・靴下・歯ブラシ・タオル・帽子・充電器など、実際の旅行でも準備することのある物が使われているため、一つの場面として情報を整理しながら取り組める構成です。
3.用途から思い出す問題もある
「歯をみがく物は何でしたか?」という問いでは、持ち物の名前そのものではなく、使い方を手掛かりに思い出します。
物の名前、数量、用途など、異なる角度から記憶した内容を確認できます。
リハビリで活用するときのポイント
作業療法などの認知課題として使用する場合は、正解数だけではなく、どのように覚えようとしているかにも注目できます。
たとえば、
- 持ち物を順番に確認しているか
- 名前と個数を声に出しているか
- 衣類・洗面用品など種類ごとに整理しているか
- 数量まで意識して覚えているか
- ヒントがあると思い出しやすくなるか
などです。
思い出しにくい場合には、
「身につける物は何がありましたか?」
「数字が2だった物はありましたか?」
など、答えそのものではなく、記憶をたどるための手掛かりを提示する方法があります。
難易度を調整する方法
やさしくする場合
- 60秒より長く確認する
- 持ち物の名前を一緒に読む
- 最初は数量を覚えず、物だけを覚える
- 書字ではなく口頭で答える
- 衣類・日用品などカテゴリーのヒントを出す
難しくする場合
- 覚える時間を短くする
- 物と数量をすべてセットで答えてもらう
- 回答まで少し時間を空ける
- ヒントなしで取り組む
対象者の状態や理解度に合わせて調整してください。
使用するときの注意点
今回のプリントは、物の種類だけでなく数量も覚える必要があるため、取り組む方によっては難しく感じる場合があります。
疲労や集中力の低下がみられた場合には、無理に続けず休憩を入れる、問題数を調整するなどしてください。
また、本プリントは記憶障害や高次脳機能障害を診断するための正式な検査ではありません。
本課題の結果だけで医学的な判断を行わず、リハビリテーションで活用する補助教材としてご使用ください。
まとめ
今回紹介したプリントは、旅行の持ち物と数量を60秒間覚え、その後にさまざまな質問へ答える高次脳機能の記憶課題です。
課題では、
- 旅行の持ち物を思い出す
- 物と数量をセットで覚える
- 数字から持ち物を思い出す
- 用途を手掛かりに思い出す
- 複数の情報を整理して答える
といった方法で取り組めます。
リハハウスでは、このほかにも記憶・注意・遂行機能・空間認知・半側空間無視・言語などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の状態や理解度に合わせながら、日々のリハビリテーションにご活用ください。

