このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
はじめに
朝食の場面では、食べ物だけでなく、食器や飲み物、テーブル周辺の様子など、さまざまな情報を目にします。
今回リハハウスでは、朝食の準備場面を30秒間見て覚え、その後に記憶した内容について答える高次脳機能の記憶課題プリントを作成しました。
左側には、トレーの上や周囲に、
- コップ
- トースト
- 目玉焼き
- スプーン
- バナナ
- ヨーグルト
が配置されています。
30秒間イラストを見たあとに左側を隠し、右側の選択肢から実際にあった物を選びます。
さらに今回は、トレーの色や下に敷かれていた布の模様についても質問します。
そのため、「何があったか」だけではなく、場面全体の特徴にも目を向けながら取り組む課題になっています。
※本プリントのみで記憶障害や高次脳機能障害を評価・診断することはできません。
この記憶課題の内容
最初に、左側の「朝食の準備」のイラストを30秒間見て覚えます。
その後、イラストを隠し、右側に並んだ9個の選択肢から、実際に朝食の場面にあった6つの物を選びます。
選択肢には、最初にはなかった物も含まれています。
さらに、
- トレーは何色だったか
- 下に敷いてあった布はどのような模様だったか
という問題にも答えます。
単純に食べ物だけを覚えるのではなく、食器・食べ物・色・模様といった複数の視覚情報を確認する構成です。
今回のプリントの特徴
1.朝食という一つの場面を覚える
今回の課題は、単独のイラストをバラバラに配置するのではなく、「朝食の準備」という一つの場面として構成されています。
「食べ物」「食器」「飲み物」というように関連付けながら覚える方法もあります。
2.選択肢から見た物を探す
右側には9個のイラストがあり、その中から実際にあった6個を選びます。
何も見ずにすべて書き出す形式とは異なり、選択肢と自分の記憶を照らし合わせながら判断する課題です。
「見たら思い出せる物」と「選択肢を見ても迷う物」があるかなど、取り組み方にも注目できます。
3.背景の情報も覚える
今回は食べ物だけではなく、トレーや布についても質問されます。
食べ物に意識が集中すると、周囲の色や模様まで覚えていないこともあります。
そのため、場面の中心だけでなく、周辺の情報にも注意を向けながら見ることがポイントです。
リハビリで活用するときのポイント
作業療法などの認知課題として活用する場合には、正解数だけではなく、どのように場面を見ていたかにも注目できます。
たとえば、
- 食べ物から先に見ているか
- 食器まで確認しているか
- 左から順番に見ているか
- 色や模様にも注意を向けているか
- 選択肢を一つずつ照合しているか
などです。
答えが出にくい場合には、
「食べ物は何がありましたか?」
「スプーンのような食器はありましたか?」
など、答えを直接伝えず、思い出すための手掛かりを提示する方法があります。
難易度を調整する方法
やさしくする場合
- 覚える時間を30秒より長くする
- 最初に物の名前を一緒に確認する
- 最初は食べ物だけを覚える
- 色や模様の問題を省く
- 選択肢を少なくする
難しくする場合
- 覚える時間を短くする
- 選択肢を見る前に、あった物を口頭で答えてもらう
- 物がどこに置かれていたかまで答えてもらう
- 食器や食べ物の色について追加で質問する
対象者の状態や理解度に合わせて調整してください。
使用するときの注意点
今回の課題では、6つの物に加えて色や模様も確認するため、複数の情報を一度に覚えることが負担になる場合があります。
難しい場合は、最初は「何があったか」だけに取り組み、慣れてから色や模様の問題を追加する方法もあります。
疲労や集中力の低下がみられた場合には無理に続けず、休憩を入れるなど調整してください。
また、本プリントは記憶障害や高次脳機能障害を診断するための正式な検査ではありません。
本課題の結果だけで医学的な判断を行わず、リハビリテーションで使用する補助教材としてご活用ください。
まとめ
今回紹介したプリントは、朝食の準備場面を30秒間覚え、その後に食べ物・食器・色・模様について答える高次脳機能の記憶課題です。
課題では、
- 朝食にあった物を覚える
- 選択肢から見た物を探す
- トレーの色を思い出す
- 布の模様を思い出す
- 場面全体の情報を整理する
といった方法で取り組めます。
「朝食の準備」という身近な生活場面をテーマにしているため、単純なイラスト記憶や数量記憶とは異なる形で活用できます。
リハハウスでは、このほかにも記憶・注意・遂行機能・空間認知・半側空間無視・言語などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の状態や理解度に合わせながら、日々のリハビリテーションにご活用ください。

