このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
はじめに
今回リハハウスでは、6個のイラストを60秒間覚え、その後に記憶した内容について答える高次脳機能の記憶課題プリントを作成しました。
左側には、
- 本
- うし
- はしご
- ベル
- りんご
- 急須
の6個のイラストが配置されています。
まず60秒間、左側の絵を見て覚えます。その後、中央の線でプリントを折るなどしてイラストを隠し、右側の問題へ答えていきます。
今回のプリントは【やさしい】難易度で、覚えるイラストを6個に抑えています。
「何があったか」を思い出すだけでなく、「読むもの」「高い所にのぼるときに使うもの」など、物の用途や特徴を手掛かりに記憶をたどる問題が含まれていることが特徴です。
※本プリントのみで記憶障害や高次脳機能障害を評価・診断することはできません。
この記憶課題の内容
イラストを60秒間覚えたあと、次のような問題に取り組みます。
- 覚えている物を思い出して書く
- 読むものを答える
- 高い所にのぼるときに使う物を答える
- イラストが全部で何個あったか答える
- 選択肢と覚えた内容を照らし合わせる
自由に思い出す問題と、用途をヒントに思い出す問題が組み合わされているため、同じイラストを複数の視点から確認できます。
今回のプリントの特徴
1.6個のイラストで取り組みやすい
今回の課題は6個のイラストで構成しており、リハハウスでは【やさしい】難易度としています。
8個の【ふつう】、10個程度の【むつかしい】課題よりも情報量を抑えているため、記憶課題に初めて取り組む場合や、少ない個数から始めたい場合にも使用しやすい構成です。
2.用途を手掛かりに思い出す
「読むものは何でしたか?」という問いでは本を、「高い所にのぼるときに使うものは何でしたか?」という問いでは、はしごを思い出します。
物の名前をそのまま尋ねるのではなく、何に使う物なのかという意味から、先ほど見たイラストを思い出す課題になっています。
3.種類の異なる物を覚える
本・動物・道具・食べ物など、異なる種類の物が含まれています。
「食べ物はりんご」「動物はうし」のように、自分なりに種類を分けながら覚える方法もあります。
リハビリで活用するときのポイント
作業療法などの認知課題として使用する場合は、正解数だけでなく、どのような方法で覚えようとしているかにも注目できます。
たとえば、
- 左から順番に確認しているか
- イラストの名前を声に出しているか
- 種類ごとに分けて覚えているか
- 用途と関連付けて覚えているか
- ヒントがあると思い出しやすくなるか
などです。
思い出しにくい場合には、
「食べ物はありましたか?」
「何かにのぼるときに使う物はありましたか?」
など、答えそのものを伝えず、思い出すための手掛かりを提示する方法があります。
難易度を調整する方法
やさしくする場合
- 60秒より長く絵を見る
- イラストの名前を一緒に確認する
- 3個ずつに分けて覚える
- 書字ではなく口頭で答える
- 用途や種類についてヒントを出す
難しくする場合
- 覚える時間を短くする
- 回答まで少し時間を空ける
- ヒントを減らす
- イラストがあった位置まで答えてもらう
対象者の状態や理解度に合わせて調整してください。
使用するときの注意点
記憶課題の難しさは、取り組む方によって異なります。
疲労や集中力の低下がみられた場合には無理に続けず、休憩を入れる、問題数を減らすなど調整してください。
また、本プリントは記憶障害や高次脳機能障害を診断するための正式な検査ではありません。
本課題の結果だけで医学的な判断を行わず、リハビリテーションで使用する補助教材としてご活用ください。
まとめ
今回紹介したプリントは、**6個の身近なイラストを60秒間覚え、その後に問題へ答える高次脳機能の記憶課題プリント【やさしい】**です。
課題では、
- 見た物を思い出す
- 用途から物を思い出す
- 種類ごとに情報を整理する
- 個数を確認する
- 選択肢と記憶を照らし合わせる
といった方法で取り組めます。
リハハウスでは、このほかにも記憶・注意・遂行機能・空間認知・半側空間無視・言語などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の状態や理解度に合わせながら、日々のリハビリテーションにご活用ください。

