このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
はじめに
見本を見ながら同じものを書き写すときには、図形の形だけでなく、**「どの位置にあるか」**を確認する必要があります。
今回リハハウスでは、左側の見本に配置された図形を確認し、右側の空欄へ同じ図形を同じ位置に書き写す空間認知課題を作成しました。
見本には、
- ○
- ●
- □
- ■
- △
- ☆
- +
- ×
- ひし形
など、複数の図形が配置されています。
対象者は見本を確認しながら、
「この図形は何列目・何段目にあるか」
「塗りつぶされているか、白抜きか」
「どの形を描けばよいか」
を考え、右側の同じマスへ書き写します。
単純な模写だけではなく、図形の識別と位置の照合を組み合わせた課題になっています。
※本プリントは空間認知機能や高次脳機能を診断するための正式な検査ではありません。
この課題のやり方
プリントは、左側の「見本」と右側の「かくところ」がセットになっています。
まず見本を確認し、右側の同じ位置へ一つずつ図形を描いていきます。
基本的な流れは、
- 見本を見る
- 1つの図形を選ぶ
- 図形の種類を確認する
- 何列目・何段目にあるか確認する
- 右側の同じマスへ描く
- 最後に見本と完成図を見比べる
となります。
一度にすべての図形を覚える必要はありません。見本と記入欄を行き来しながら取り組める課題です。
今回の空間認知課題の特徴
1.見本と同じ「位置」に再現する
今回の課題では、図形を正しく描くだけでは十分ではありません。
たとえば○を描けていても、見本とは違うマスに描いてしまえば配置は一致しません。
そのため、
「何を描くか」+「どこに描くか」
の両方を確認します。
2.似た図形を見分ける
見本には、形が似ていても意味の異なる図形があります。
たとえば、
- ○と●
- □と■
- +と×
- 四角とひし形
などです。
図形を大まかに捉えるのではなく、形や塗りつぶしの違いまで確認して写すことがポイントです。
3.マス目を利用して位置を確認できる
左右には同じ大きさのマス目があります。
そのため、
「左から2列目」
「上から1段目」
「右下のマス」
など、マスを基準として位置を整理できます。
位置関係が分かりにくい場合には、指で縦と横のマスを数えながら進めても構いません。
見本を写すときのコツ
図形が増えてくると、どこまで描いたか分からなくなることがあります。
その場合には、順番を決めて進める方法があります。
たとえば、
左上から右へ → 次の段 → 一番下の段
というように、視線を一定方向へ動かしていきます。
また、
丸を探す → 四角を探す → 星を探す
というように、図形の種類ごとに確認してもよいでしょう。
どの方法が正解というわけではなく、対象者が整理しやすい方法を選びます。
「同じ配置を探す」課題との違い
これまでの「同じ配置を探そう」では、見本と同じものを複数の候補から選ぶ形式でした。
今回の課題では、選択肢はありません。
見本を確認したうえで、自分で図形を描いて配置を再現する必要があります。
そのため、
見る → 場所を確認する → 描く → 見直す
という流れになります。
正しい候補を選ぶ課題とは違った取り組み方ができる点が特徴です。
リハビリで活用するときのポイント
作業療法などの机上課題として使用する場合は、完成した結果だけでなく、課題をどのような手順で進めているかにも注目できます。
たとえば、
- 左から右へ順番に確認できているか
- 同じ図形を何度も描いていないか
- 図形の種類を取り違えていないか
- 上下左右の位置を間違えていないか
- 見本と記入欄を行き来して確認できているか
- 完成後に見直しをしているか
などです。
迷っている場合には、
「まず一番左上から見てみましょう」
「この丸は何列目ですか?」
「同じ場所を右側で探してみましょう」
など、確認する範囲を限定すると取り組みやすくなります。
難易度をやさしくする方法
難しい場合には、
- 図形の少ない問題から始める
- 1つずつ描く図形を指定する
- マスを一緒に数える
- 図形の位置を指さして示す
- 1段ずつ隠しながら取り組む
などの方法があります。
図形を描くこと自体が難しい場合には、同じ形のカードやシールをマスに置く方法へ変更することもできます。
難易度を上げる方法
慣れてきた場合には、
- 図形の数を増やす
- マス目を増やす
- よく似た図形を増やす
- 見本を見る時間を短くする
- 見本を隠してから描く
といった方法で難易度を調整できます。
見本を一定時間見たあとに隠す方法では、配置を直接見ながら写す場合とは異なる要素も加わります。
対象者の理解度や疲労に合わせて調整してください。
使用するときの注意点
この課題では、空間的な位置の確認だけでなく、実際に図形を描く操作も必要です。
そのため、手指の動かしにくさなどによって、図形を正確に描きにくい場合があります。
そのような場合には、
- 太いペンを使用する
- 図形を簡略化してよいことを伝える
- シールやカードで代用する
など、課題の目的に応じて調整してください。
また、視力や視野の状態に合わせてプリントを拡大することも検討します。
疲労や集中力の低下がみられた場合には、無理に継続せず休憩してください。
本プリントは高次脳機能障害や空間認知障害を診断するための正式な検査ではありません。本課題の結果のみで医学的な判断を行わないようにしてください。
まとめ|見本と同じ位置へ図形を写してみよう
今回紹介したプリントは、左側の見本を見ながら、右側の同じ位置へ図形を書き写す空間認知課題です。
課題では、
- 図形を見分ける
- マス目の位置を確認する
- 見本と記入欄を照合する
- 同じ位置へ図形を描く
- 完成後に見直す
という流れで取り組みます。
候補から正解を選ぶ課題とは異なり、見本の配置を自分で再現することが特徴です。
リハハウスでは、このほかにも空間認知・記憶・注意・遂行機能・半側空間無視・言語などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の状態や理解度に合わせながら、日々のリハビリテーションにご活用ください。

