このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
はじめに
日常生活では、「誰が何を頼んだのか」「誰に何を渡すのか」など、人物と複数の情報を組み合わせて覚える場面があります。
今回リハハウスでは、カフェで2人が注文した飲み物と食べ物を30秒間覚え、その後に注文内容を思い出して記入する高次脳機能の記憶課題プリントを作成しました。
今回覚える内容は、
- 渡辺さん:レモネード・ドーナツ
- 小林さん:ミルクティー・クッキー
です。
上段を30秒間見て覚えたあと、注文内容が見えないように隠します。その後、下段の「注文メモ」に、それぞれの人物が注文した飲み物と食べ物を書き込みます。
単に4つの品物を覚えるのではなく、「誰が・何を注文したのか」を正しく組み合わせて覚えることがポイントです。
※本プリントのみで記憶障害や高次脳機能障害を評価・診断することはできません。
この記憶課題の内容
課題は、
見る → 30秒間覚える → 上段を隠す → 注文メモを書く
という流れで進めます。
覚える情報は2人分ですが、それぞれに、
人物名+飲み物+食べ物
という3つの要素があります。
たとえば、「レモネード」と「ドーナツ」を覚えていても、それが渡辺さんの注文だったことまで覚えていなければ、注文メモを正しく完成させることはできません。
そのため、それぞれの情報を人物ごとに一つのまとまりとして整理して覚えることが重要になります。
今回のプリントの特徴
1.人物と注文内容を関連付けて覚える
今回の課題では、
渡辺さん=レモネード+ドーナツ
小林さん=ミルクティー+クッキー
という組み合わせを覚えます。
単純に「何があったか」を覚えるイラスト記憶とは異なり、人物と複数の情報を結び付ける形式になっています。
2.身近な「カフェ」をテーマにしている
カフェで注文するという具体的な場面を設定しているため、状況をイメージしながら取り組めます。
「渡辺さんは冷たい飲み物とドーナツ」「小林さんは温かい飲み物とクッキー」など、自分なりに特徴を整理して覚える方法もあります。
3.選択式ではなく自分で思い出す
今回は選択肢の中から答えを探すのではありません。
上段を隠したあと、自分で情報を思い出して注文メモへ記入します。
そのため、
- 飲み物だけ思い出せる
- 食べ物は覚えているが人物を迷う
- 2人の注文が入れ替わる
など、思い出し方の違いにも注目できます。
リハビリで活用するときのポイント
作業療法などの認知課題として使用する場合には、正解数だけではなく、どのような方法で情報を覚えているかにも注目できます。
たとえば、
- 人物ごとに順番に確認しているか
- 名前と注文内容を声に出しているか
- 人物の顔と注文を関連付けているか
- 飲み物と食べ物をセットにしているか
- 2人の情報を混同していないか
などです。
思い出しにくい場合には、「渡辺さんの飲み物から考えてみましょう」など、一度にすべてを尋ねず、一つずつ手掛かりを提示する方法があります。
難易度を調整する方法
やさしくする場合
- 30秒より長く確認する
- 1人分ずつ覚える
- 最初は飲み物だけ覚える
- 注文内容を一緒に声に出す
- 書字ではなく口頭で答える
難しくする場合
- 覚える時間を短くする
- 回答まで少し時間を空ける
- 人数を3人以上に増やす
- 飲み物や食べ物に個数などの情報を追加する
対象者の状態や理解度に合わせて調整してください。
使用するときの注意点
今回の課題では、注文内容そのものだけでなく、どの人物の情報だったかまで覚える必要があります。
品物は思い出せても人物との対応が難しい場合には、1人分から始めるなど情報量を調整してください。
また、書字が負担になる場合は口頭で答える方法でも活用できます。
疲労や集中力の低下がみられた場合には無理に続けず、必要に応じて休憩を入れてください。
本プリントは記憶障害や高次脳機能障害を診断するための正式な検査ではありません。本課題の結果のみで医学的な判断を行わないようにしてください。
まとめ
今回紹介したプリントは、2人の人物とカフェでの注文内容を30秒間覚え、その後に飲み物と食べ物を思い出して記入する高次脳機能の記憶課題です。
課題では、
- 人物の名前を確認する
- 飲み物と食べ物を覚える
- 人物と注文内容を関連付ける
- 覚えた情報を自分で思い出す
- 注文メモとして整理して記入する
という流れで取り組めます。
単純なイラスト記憶とは異なり、「誰が何を注文したか」という複数の情報を組み合わせて覚える形式であることが特徴です。
リハハウスでは、このほかにも記憶・注意・遂行機能・空間認知・半側空間無視・言語などの高次脳機能課題を公開しています。
対象者の状態や理解度に合わせながら、日々のリハビリテーションにご活用ください。

