このプリントは医療従事者の監修のもと作成されたもので、あくまで自主トレーニングの補助資料です。無理のない範囲で行い、症状や痛みがある場合は医療機関に相談しましょう。
こんな素材がほしい! もっとこんな素材を増やしてほしいなどがありましたら、リクエストしてください!
絵を見て動詞を考える言語課題です
今回のプリントには、6つの動作場面が描かれています。
- 男の人が階段をのぼる
- 女の人が椅子から立つ
- 男の人が荷物を持ち上げる
- 女の人がボールを蹴る
- 男の人が手を振る
- 女の人が横断歩道を渡る
イラストの下には、
「女の人が ボールを( )。」
のような文章があります。
人物が何をしているかを考え、空欄に入る動詞を答えます。
この課題の進め方
まず、イラストを見て場面を確認します。
次に文章を読み、「何をしているところか」を考えます。
基本的な流れは、
- イラストを見る
- 人物や周囲の状況を確認する
- 文章を読む
- 空欄に入る動詞を考える
- 声に出して答える
- 必要に応じて空欄へ書く
となります。
書字が難しい場合には、口頭で答えるだけでも使用できます。
ポイントは動作を表すことばの想起
今回の課題は、候補からことばを選ぶ「動詞選択課題」と異なり、適切な動詞を自分で思い出す形式です。
たとえば、
「女の人が 横断歩道を( )。」
という文章とイラストから「渡る」ということばを考えます。
選択肢がないため、絵の状況や文章に含まれる名詞を手掛かりにしながら動詞を想起します。
「誰が・何を・どうする」に分けて考えよう
答えが出にくい場合には、文章を整理してみます。
たとえば、
女の人が + ボールを + 蹴る
というように、
誰が → 何を → どうする
の順に考えます。
「何をしていますか?」だけでは難しい場合には、
「何がありますか?」
「足は何をしていますか?」
「ボールをどうしていますか?」
など、質問を少しずつ具体的にする方法があります。
人物の姿勢や周囲の状況もヒントになります
動詞を考えるときには、物の名前だけでなく、人物の姿勢や周囲の状況も手掛かりになります。
たとえば、
階段+上方向への移動 → のぼる
椅子+立ち上がる動作 → 立つ
ボール+足の動き → 蹴る
横断歩道+歩行 → 渡る
というように、絵全体を確認します。
すぐにことばが出ない場合には、イラストのどこを見ると分かりやすいかを一緒に探してみる方法もあります。
失語症の方に使用するときの工夫
失語症では、場面を理解できていても動詞がすぐに出てこない場合があります。
その際には、
- 動作をジェスチャーで示す
- 最初の音を伝える
- 2つの動詞から選んでもらう
- 支援者が文の途中まで読む
- 答えを復唱してもらう
など、対象者に合わせて手掛かりを調整できます。
正答数だけでなく、どの程度のヒントがあるとことばを想起できるかを確認しながら使用することもできます。
難易度を調整する方法
難しい場合には、動詞の最初の音を提示したり、2択形式へ変更したりすると取り組みやすくなります。
慣れてきた場合には、
- イラストだけを見て文章を作る
- 過去形に変える
- 「どこで」「いつ」を追加する
- 理由や次の行動を答える
- より長い文章を作る
などへ発展できます。
たとえば、
「女の人が横断歩道を渡る」
から、
「信号が青になったので、女の人が横断歩道を渡っています」
のように文章を広げることもできます。
リハビリ場面で確認したいポイント
作業療法や言語聴覚療法などで使用する場合には、
- イラストの場面を理解できているか
- 動作に注目できているか
- 適切な動詞を想起できるか
- 名詞と動詞を組み合わせられるか
- 文として表現できるか
- 想起したことばを書字できるか
などに注目できます。
ただし、本プリント単独で特定の言語機能を評価・診断するものではありません。
使用するときの注意点
動詞を自分で想起する課題は、選択式より回答に時間がかかる場合があります。
すぐに正解を伝えず、対象者に合わせて考える時間を設けてください。
発話や書字が難しい場合には、選択式に変更するなど無理のない方法で使用します。
本プリントは失語症や高次脳機能障害を診断するための正式な検査ではありません。課題結果のみで医学的な判断を行わないようにしてください。
まとめ|身体動作から適切な動詞を考えよう
今回のプリントは、人物の動作を表したイラストから適切な動詞を想起し、文章を完成させる言語課題です。
「のぼる」「立つ」「持ち上げる」「蹴る」「振る」「渡る」など、移動や身体動作に関する身近なことばを扱っています。
イラストと文章を手掛かりに、発話・文完成・書字へつなげながら活用できます。
リハハウスでは、このほかにも言語・記憶・注意・遂行機能・空間認知・半側空間無視などの高次脳機能課題を公開しています。

